おなかは、たくましい男性らしさや健康的な女性らしさなど、キャラクターの魅力を存分に活かせるパーツです。肌を直接見せる機会も多く、意外と誤魔化しのきかない部分でもあります。
ただ立体感を出すことがなかなか難しく、苦労している人が多いのではないでしょうか。コツは腹筋の形と構造を理解すること。デッサンを安定させて立体感を出す方法をマスターしましょう。
▼目次
おなかの構造
お腹の構造で何よりも重要なのは、腹筋(腹直筋)の形を覚えることです。腹直筋は身体の中央に、帯状に存在します。中央にシックスパックと呼ばれる6つのブロックがあります。
肋骨の下あたりから骨盤の辺りまで連なり、例外もありますが基本は6つです。腹直筋の上の肋骨の部分と尾てい骨部分の下腹部はシックスパックに含まれないので注意しましょう。
また、おへその位置はシックスパックの3段目あたりに描きましょう。
おなかの描き方
おなかの描き方は、まずは胸を描いて、中心線を引きます。それぞれの大胸筋の中心の位置から垂直な線を下ろし、そしてその線を骨盤の先端で結んで、腹直筋のアウトラインを完成させます。線を骨盤の先端で結ぶことで、身体が不自然に捻じれるのを防ぎます。
次に腹筋の中を描きます。好みに応じて筋肉の割合を調節しましょう。女性の場合は、身体の立体感を出すアウトラインを薄く描くだけで問題ありません。おへそを描いたあと、身体の横側を描いて完成です。
筋肉質にしたくない場合でもアタリとしてシックスパックを描くと、胴体が異様に長くならずデッサンが安定します。おへその位置を決めるにもシックスパックのアタリを描く手法は有効です。
アタリ線で立体感を!
腹直筋のアウトラインは、身体の正面と側面を分ける境目になり、身体を直方体に例えることができます。
これは立体感を出すうえで非常に有効で、横向きや斜め向きなど、あらゆる角度に応用できます。影をつける際にも参考になるので活用しましょう。
アタリ線を繋ぐ理由
また、腹直筋のアウトラインの線を骨盤の下で繋いでおくことによって、上半身と下半身の向きをしっかり揃えることができます。こうすると、斜め向きや難しいアングルの身体を描くときに、不自然に胴体がねじれることを防げます。
上半身と下半身を同じ向きに揃えるのは慣れないうちは案外難しいので、しっかりこの方法でアタリを取りましょう。
まとめ
以上の点をまとめると、
- 腹筋(腹直筋)の形を覚えてしまおう
- シックスパックのアタリは筋肉質な身体を描かない場合でも描こう
- 腹直筋のアウトラインは身体の立体感を表現できる重要な線!
- 腹直筋のアウトラインの線を繋いで上半身と下半身を揃えよう
以上のことに気をつけて描いてみてください。
なお、もう少し詳しい情報は私の著書
『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』の方を参考にしていただければと思います。もっと細かい腹筋の形や描き方、おなか周りの構造など詳しい情報が載ってます!
おかげさまで重版を重ね、ただいま4版目です!ぜひご覧ください!
(下のリンクからアマゾンページへ飛びます。)
ニコニコ生放送で毎週金曜22:30より、絵の描き方を教える「お絵かき救命病棟24時!」もやっておりますので興味があればぜひどうぞ!
http://com.nicovideo.jp/community/co1921867
松(A・TYPEcorp.)
ホームページ http://atipe.net/
PIXIV http://www.pixiv.net/#id=18923
ツイッター https://twitter.com/atype55
ニコニコ生放送 http://com.nicovideo.jp/community/co1921867
フリーランスのイラストレーター。
様々な絵柄を駆使し、カードゲーム「マジンボーン・データカードダス」「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」のイラストや、4コマ漫画「BIOHAZARD THE TOON」の執筆、小説の挿絵などを手がける。
また、絵の描き方本『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』を執筆し、活動の幅を広げている。