鳥や翼はカードイラストなどでよく取り入れられるモチーフのひとつ。皆さんも目にしたことがあると思います。
翼は頻出するモチーフですが、いざ描いてみると上手に描けず、苦戦した経験がないでしょうか。原因のひとつとして翼の構造の理解が曖昧であることが考えられます。
そこで今回は翼の描き方をテーマに、上手に描くためのコツをご紹介します。考え方の一例としてご参考ください。
▼目次
翼っぽく見えない原因とは?
よく見られる翼の描かれ方で、形が悪く見えがちな例をご紹介します。
上図のように描かれているものをよく見かけます。
パッと見た印象としては翼っぽさがありますが、リアルさに欠けてカッコよさや美しさがあまり感じられないです。
原因は羽根のかたちにあります。
例として描いた翼は羽根の一つひとつがほぼ同じ形状で描かれているため、翼のかたちが不自然になっています。
そこで、より翼らしく見せるためのポイントを挙げていきます。ざっくりとした概要なので、より詳しく知りたい方は図鑑などで翼の構造を調べてみましょう。
翼らしく描く、2つのコツ
1.羽根の形や大きさは全て同じにしない
先程、羽根が全て同じ形で描かれている不自然さから違和感が生じると説明しました。
というのも、羽根にはそれぞれ空を飛ぶための役割があり、その役割によって羽根の形状が変わっているからです。
羽根の違いによって色分けをしたものを用意しました。この画像は背中側(翼上面)から見た場合のものです。
今回は、印象からの見栄えの良さを優先しているので、羽根の枚数などは考慮していません。鳥の種類や大きさによって翼の構造も変化しているようです。また、鳥の種類によってある羽根とない羽根もあるとのことです。
こちらは少し小柄な鳥を想定した図です。羽根の枚数はあまり考慮していません。見た目重視なので、イラストとしての見栄えの参考にご覧ください。
羽根の形状の違いは、鳥たちの生息地や飛距離などに関係して特徴があります。キャラクターが住む環境まで想定して翼をデザインすると説得力のあるイラストに繋がっていきます。
2.羽の重なり方
外側と内側のそれぞれから見た、羽の重なり方です。翼の上面から見ると、上図のように重なっています。
そして、鳥の羽ばたきを考えると理解が深まります。
羽根の重なり方が前後逆に描かれている絵を時々見かけたりします。あまり気にしていなかった方は、意識してみるとイラストの説得力がグンっと上がりますよ。
人間の手と翼の共通点から描き方を考える
翼と人間の手は、形状的に共通している点が多いです。
翼は、人間の指のように何かを掴んだりはできませんが、シルエットがかなり似ているのがわかるでしょうか。
身近な例で例えると、影遊びで手を使って鳥を作るときと同じイメージです。指先を頂点として線をつなぐとわかりやすいです。描き方に迷ったら自分の手を使ってみるのも良さそうですね。
まとめ
- 羽根にはそれぞれ役割があり、それぞれかたちが異なる
- 鳥の種類(鳥の生きる環境)によって翼の形状が異なる
- 羽根の重なり方の理由を考える
- 人間の手と翼の形には共通点がある
翼の見栄えを良くする描き方のポイントを挙げさせていただきました。人物キャラクターをかっこよく、綺麗に見せる描き方は勿論、こういった人間以外の動物のパーツをカッコよく描けるようになることができれば、表現の幅が更に広がりますので、是非チャレンジしてみて下さい!
著・画: HAK.(はく)
WEBサイト|https://www.artstation.com/artist/yamato3298
絵描いてます。
参考資料
Nature Photo Gallery 「人と鳥の前肢 骨格構造と名称」