光沢を描く際に役立つ!フレネル反射について学ぼう
2017.07.14
イラストを描く際、「その物体が何であるか」ということを一目でわかってもらうため、物質ごとの質感の差を表現することは重要です。
前回の「金属の表現方法」に引き続き、今回は、
の質感表現のコツについてご紹介します。いろいろな素材があるけれど、それぞれをどうやって表現するの?とお悩みの方向けの講座です。
それでは、順を追って見ていきましょう。
▼目次
ガラスの各面を描くため、まずはガイドとなる線画を用意します。
反射した色から透明に変化するグラデーションを使って各面を塗っていきます。光が透過する部分、全反射が起こる部分などの差を意識しつつ色を置いていきましょう。
こちらの視線からガラス面への入射角が垂直に近いほど透化し、平行に近いほど不透化するように描くとそれらしくなります。いわゆるフレネル効果です。
▼フレネル効果について
ガイドを消すとガラスらしくなりました。
つまり、ガラスのような透明度が高い素材を描くことは「反射を表現する」ということです。
これまでに描いていたレイヤーの下にまたレイヤーを作り、反射を入れ、内部が透けて見える構造を描き加えて完成です。
ベースを描きます。木の色と言っても木材により差があるため、自分の表現したい色を選びましょう。単色で塗るのではなく、数色を使って塗ると木らしくなってきます。
木目を描き込みます。こちらもまた木材による差があるので、木材の写真を見たりしてリアリティを追求していきましょう。
横面に陰影をつけて立体感を出します。
色合いを調整し、端の切断部分を表現するためのささくれやバリを描き込んで完成です。
ベースを描きます。透明度にもよりますが、氷は背後の色を透過するので、背景色に近い色を選ぶ、または色を置かずに透明部分を活かして塗っていくという手法を取ります。
各面を塗っていきます。今回は透明度の低い、霜の降りた氷を描くことにします。ぼんやりと背側の形が見えるようにレンダリングしていきましょう。この際、霜の表現にザラザラとした質感のブラシを使うことで、表面の質感を素早く描けます。
霜が降りている様子を表現するため、氷の縁をチクチクさせます。
周囲の空気が冷えている様子のエフェクトなどを描き足すと、より氷らしくなります。
木材の質感で少し触れましたが、表現したい素材の写真を見るのは重要です。どの素材でも言えることですが、現実にある特徴を絵の中で描写していくことで、より本物らしく表現することができるでしょう。
フリーランスのイラストレーター。漫画の色塗りなどもさせていただいています。