キャラクターを描き上げた次に取り組むことといえば、やはり色塗りではないでしょうか。
色塗りもイラスト制作においては非常に重要なパートですが、どの色で塗ればいいか分からなかったり、キャラに合う色を選んでも、イメージとは異なる仕上がりになってしまったり、苦労する事の多い工程だと思います。
今回は、ある程度のセオリーに沿った迷わない色選びの方法を解説していきます。
<目次>
色の基礎知識
色の選び方
・ドミナントカラー配色
・ダイアード配色
・スプリットコンプリメンタリー配色
・トライアド配色
まとめ
色の基礎知識
色選びの方法を学ぶうえで、覚えておきたい3つの用語があります。
まずは明度。色の明るさのことで、明度が高いほど明るい色に、逆に低いほど暗い色になります。
次は彩度。色の鮮やかさのことで、高いほど派手な色に、彩度が低いほど地味な色合いになります。
最後が色相。彩度や明度は関係なく、赤味、青味、黄色味など、色の種類を指すときに使う言葉です。
この3つの用語は、イラストの色選びをしていくうえで基礎となる部分なので必ず覚えましょう。
色の選び方
色選びの際、まず始めにするのはテーマカラーを決めることです。彩度や明度は関係なく、自分の好きな色相の色をひとつだけ決めましょう。
次に作品の雰囲気を決めます。暗い雰囲気か、明るい雰囲気か、それだけでも選ぶ色はかなり絞れてくるので、イメージとして思い浮かべておきましょう。
それが決まれば、あとはテーマや雰囲気に沿って配色パターンに当てはめていくだけです。
配色パターンあれこれ
いくつかある配色パターンのうち、基本的なものを解説します。
ドミナントカラー配色
ドミナントカラー配色は、テーマとなる色と色相環の近くにある相性のいい色同士で構成された配色です。非常に馴染みやすく、お手軽な配色になります。
ダイアード配色
ダイアード配色は、メインの色と色相環の正反対の位置にある色を選ぶ配色です。色相環の真反対にある色同士は相性が悪く、非常にメリハリの効いた配色になります。
スプリットコンプリメンタリー配色
スプリットコンプリメンタリー配色は、ダイアード配色の片方側をスプリット(分裂)させる配色です。ダイアードのメリハリの中に、安定感を与える配色になります。
トライアド配色
トライアド配色は、色相環を正三角形に割るように選んだ3つの配色です。非常にバランスが良く、ドミナントカラー配色より多くの色相が扱えるので、困ったらトライアド配色にしておけと言われるくらい鉄板の配色です。
以上の配色パターンを参考に、テーマとなる色を多めの割合で使い、その他の色はサブカラーとして引き立て役程度の割合で使用しましょう。残りの色は、配色で使用した色に近く、彩度の低めの色を選びましょう。
また、配色で選ぶのは3色までにしておいたほうが無難です。4色以上になると色の管理が難しくなり、混乱することが多いです。
まとめ
今回の内容をまとめると、
- 彩度、明度、色相は最低限覚えておこう
- テーマになる色と、イラストの雰囲気を決めよう
- 配色パターンを参考にテーマの色をメインに使い、その他の色はメインの邪魔にならない程度に使おう。
- 配色で選ぶのは3色までが無難
ぜひ以上のことに気を付けて描いてみてください。
今回は色の選び方をざっと解説しました。次回も色選びのポイントやコツを引き続き解説していきます。
なお、人物やキャラクターの描き方については私の著書『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体 -パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39-』の方を参考にしていただければと思います。
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著・画 松(A・TYPEcorp.)
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目下”SCPの人”と化しているフリーランスのイラストレーター。
様々な絵柄を駆使し、カードゲーム「マジンボーン・データカードダス」「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」のイラストや、4コマ漫画「BIOHAZARD THE TOON」の執筆、小説の挿絵などを手がける。また、絵の描き方本『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』を執筆し、活動の幅を広げている。