iPadとProcreateで描く!自然な雲の配置のコツ

iPadとProcreateで描く!自然な雲の配置のコツ

前回はブラシを使った空の描き方をご紹介しました。

 

今回は自然な雲の配置について背景イラストレーターの有馬憲吾さんが解説。

 

雲の描き方の復習をしながら、配置のコツを学んで、自然で奥行きを感じさせる空を描けるようになりましょう。

 

記事の最後には詳しい動画解説があるのでチェックしてみてください。

 

今回使用する機材とアプリは、iPadとProcreateです。考え方を応用し、CLIP STUDIO PAINTやPhotoshopを使って描くことも可能です。

 

▽空の描き方の記事

 

▼目次

雲を描くポイントと配置のコツ

 1.パースを意識する

 2.配置を意識する

雲の描き方

 1.空のレイヤーを用意する

 2.雲の形をとる(ペイント>オリエンタルブラシ)

 3.雲の形を整える(指先ツール)

 4.影色を入れる(ペイント>オリエンタルブラシ)

 5.影色を整える(指先ツール)

雲のメインとした作品のバリエーション

 遠景の描き方

 夕焼けの描き方

 

 


雲を描くポイントと配置のコツ

雲の描き方

はじめに雲の描き方のポイントを紹介すると、意識すべき点は2つです。

  1. パースを意識する
  2. 配置を意識する

1.パースを意識する

手前は大きく、奥に行くほど小さい雲を描く

雲にもパースはあります。手前と奥で雲の大きさの表現を意識しましょう。

  • 手前(画面の上部):雲が大きく、影も大きい
  • 奥(画面の下部):雲が細かくて、見えている影も小さい

アイレベル(図のEL=地平線・水平線)の近くは、横に伸びているような雲を小さくいっぱい並べると遠くに雲がたくさんあるように見えます。距離が遠い分、大きなものも圧縮されて見えるので、雲と雲の間隔が詰まっているからです。

見上げている側の影をしっかり描く

雲の描き方

太陽の光が上から来ているので、雲の下の部分は影で暗くなることを覚えておきましょう。

 

手前の雲は見上げているので、影の部分を大きくしっかり描くと分かりやすいです。遠近表現で奥に行くほど雲も小さくなるので、同様に影の描写も小さくなります。

2.配置を意識する

雲の描き方

雲を均等な間隔に置くと、人工的な印象を与えてしまいます。

 

そこで、Zの文字を参考に配置をイメージして、奥に向かってジグザグに雲を置きましょう。

遠景に向かうほど雲を小さく描くことで、奥行き感も表現できつつ自然な印象を与えることができます。

雲の作例

雲の描き方

パースとジグザグの配置を意識して描いたイラストサンプルです。

  • 影:見上げているので手前の影は大きく、奥は影が小さく見える
  • 配置:奥は小さい雲がたくさん並んでいる

薄い雲や風に流されている雲など、色んな雲を描きました。

雲の描き方

続いて、雲の描き方を順を追って紹介します。

1.空のレイヤーを用意する

雲の描き方

空のレイヤーを作成します。前回の空の描き方で説明したように上から下に薄くなるような青系のグラデーションを作ります。

2.雲の形をとる(ペイント>オリエンタルブラシ)

雲の描き方

空のレイヤー上に、雲を描くレイヤーを作成します。使用するブラシは「ペイント>オリエンタルブラシ」です。

 

「の」の字を描くようにタッチで雲を描くと雲らしい表現ができます。

3.雲の形を整える(指先ツール)

雲の描き方

指先ツールで形を整えます。

 

きれいに整えたり、あえてランダムにしたり、色んなパターンの雲を想定しましょう。

 

遠くの雲はぐっと横に伸ばしたり、引きちぎったようなディテールにすると自然な印象を与えられます。 

4.影色を入れる(ペイント>オリエンタルブラシ)

雲の描き方

大体の形ができたら、影色を入れていきます。

5.影色を整える(指先ツール)

雲の描き方

薄いところの層と厚いところの層の差を濃淡でつければ完成です。

雲のメインとした作品のバリエーション

遠景の描き方

雲の描き方

遠景として山を描いてきます。

 

山は空気の色で青みがかったようにしました。さらに雪の積もった富士山をイメージして、海(湖)や森を描き足すとバリエーションが作れます。

 

夕焼けの描き方

雲の描き方

使用する色を変えるだけで夕焼けが描けます。レイヤーは先ほどと同じです。

 

ポイントは、青空と違って太陽の陽が上から光が当たらないことです。陽が沈んでいるので斜め下から光が当たるように描きます。

 

以上です。ぜひ空の描き方の講座と合わせて、いろんな空を楽しんで描きましょう。

さらに詳しく学びたい方は解説動画をチェック

 

こちらの動画を見ると、ブラシでの彩色過程を含めた解説を見ることができます。より理解を深めたい方は是非ご覧ください。

記事元の著者:有馬憲吾

印刷会社を退職後、友人とデザイン会社を設立。現在イラストレーターとして活躍中。

 

モットー『なんでも楽しくやる』

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