iPadとProcreateで描く!ブラシを使った空と雲の描き方のコツ
2021.02.25
前回はブラシを使った空の描き方をご紹介しました。
今回は自然な雲の配置について背景イラストレーターの有馬憲吾さんが解説。
雲の描き方の復習をしながら、配置のコツを学んで、自然で奥行きを感じさせる空を描けるようになりましょう。
記事の最後には詳しい動画解説があるのでチェックしてみてください。
今回使用する機材とアプリは、iPadとProcreateです。考え方を応用し、CLIP STUDIO PAINTやPhotoshopを使って描くことも可能です。
▽空の描き方の記事
▼目次
はじめに雲の描き方のポイントを紹介すると、意識すべき点は2つです。
雲にもパースはあります。手前と奥で雲の大きさの表現を意識しましょう。
アイレベル(図のEL=地平線・水平線)の近くは、横に伸びているような雲を小さくいっぱい並べると遠くに雲がたくさんあるように見えます。距離が遠い分、大きなものも圧縮されて見えるので、雲と雲の間隔が詰まっているからです。
太陽の光が上から来ているので、雲の下の部分は影で暗くなることを覚えておきましょう。
手前の雲は見上げているので、影の部分を大きくしっかり描くと分かりやすいです。遠近表現で奥に行くほど雲も小さくなるので、同様に影の描写も小さくなります。
雲を均等な間隔に置くと、人工的な印象を与えてしまいます。
そこで、Zの文字を参考に配置をイメージして、奥に向かってジグザグに雲を置きましょう。
遠景に向かうほど雲を小さく描くことで、奥行き感も表現できつつ自然な印象を与えることができます。
パースとジグザグの配置を意識して描いたイラストサンプルです。
薄い雲や風に流されている雲など、色んな雲を描きました。
続いて、雲の描き方を順を追って紹介します。
空のレイヤーを作成します。前回の空の描き方で説明したように上から下に薄くなるような青系のグラデーションを作ります。
空のレイヤー上に、雲を描くレイヤーを作成します。使用するブラシは「ペイント>オリエンタルブラシ」です。
「の」の字を描くようにタッチで雲を描くと雲らしい表現ができます。
指先ツールで形を整えます。
きれいに整えたり、あえてランダムにしたり、色んなパターンの雲を想定しましょう。
遠くの雲はぐっと横に伸ばしたり、引きちぎったようなディテールにすると自然な印象を与えられます。
大体の形ができたら、影色を入れていきます。
薄いところの層と厚いところの層の差を濃淡でつければ完成です。
遠景として山を描いてきます。
山は空気の色で青みがかったようにしました。さらに雪の積もった富士山をイメージして、海(湖)や森を描き足すとバリエーションが作れます。
使用する色を変えるだけで夕焼けが描けます。レイヤーは先ほどと同じです。
ポイントは、青空と違って太陽の陽が上から光が当たらないことです。陽が沈んでいるので斜め下から光が当たるように描きます。
以上です。ぜひ空の描き方の講座と合わせて、いろんな空を楽しんで描きましょう。
こちらの動画を見ると、ブラシでの彩色過程を含めた解説を見ることができます。より理解を深めたい方は是非ご覧ください。
印刷会社を退職後、友人とデザイン会社を設立。現在イラストレーターとして活躍中。
モットー『なんでも楽しくやる』
座右の銘『面白き事も無き世を面白く』
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