今回はお絵描きVtuberの絵葉ましろさんによる『影入れのときはこんなことを考えてます【イラストメイキング】086』の動画を元に、影入れの考え方とポイント、練習方法を解説します。
「落ち影以外に影を入れる部分を知りたい」「影色の選び方を学びたい」という方は是非参考にしてみてください。
▼目次
1.直射光を考えて影を入れる
マスク塗りで色分けをし、直射光による影を入れた状態から始めます。
光源の直射光が当たる部分を考え、広い面積の落ち影を入れてから物体の回り込みの影を入れて立体感を出しています。
2.自然に見える影入れのポイント
影入れは描き込み量によって異なりますが、基本となる「光の中にできる影」「影の中にできる影」の入れ方を押さえて、好みに合わせてアレンジを加えてみてください。
暗くなる部分を決める
光源が左にある写真の壁を見てみると、光源から近い部分と遠い部分で大きく色の違いが出ているのがわかります。
イラストでも同じように、光が当たらない部分や光源から離れているところが暗くなると考えていきましょう。写真の壁は平面ですが、同じ面でもキャラクターの体や服などの立体では影色に明度差を出して陰影をつけます。
明度に沿って陰影を入れる
腕の向きがわかるパースや、腕を上げて服が引っ張られてできる皺、屈んだときにできる服のたるみや皺の寄りなど、立体の形を意識して影を入れていきます。
反射光を入れる
影色でキャラクターの色味が沈んで見えるときには、近くにある小物の色を反射光として入れる方法や、周囲の環境光を照り返しとして入れる方法があります。キャラクターと背景を馴染ませるときに活用してみてください。
小物や背景の描き込み、仕上げを施して完成です。
3.影入れの練習方法
影入れの練習として、実物や写真などの一次情報から構造を理解して観察力を養う方法があります。
写真の影を観察する
観察力を高める方法の一つとして、写真の活用がオススメです。
こちらの写真から白いパンツの光と影を観察すると、直射光の白色や環境光が映り込んでいる青色系の影、地面から照り返す黄色系の影や、濃い影になっている部分の形などの情報を得られます。
実物を観察することが一番ですが、イラストソフトを使って影の構造を読み取りやすくすることもオススメです。
新規レイヤーを作成して白で塗りつぶします。
レイヤーモードを「カラー」「色相」「彩度」のいずれかに変更することで色価が確認しやすくなります。
▽色価についてはこちらの記事で解説しています。
さらに「編集→色調補正→階調化」で影の階調を少し落とすことで影の境界線が鮮明になり、影の付き方がわかりやすくなります。
また、白で塗りつぶしたレイヤーを非表示にし、階調化した色とグレーの影色を比較すると色がついた陰影の学びにもなりオススメです。
写真の色を再現してみる
観察した写真の色を元にスポイトを使わずに模写をすることで、色彩感覚を鍛えられます。影入れの練習方法として是非取り入れてみてください。
まとめ
今回は影入れの考え方とポイント、練習方法について解説しました。
- 影入れの時には直射光を考え、落ち影と回り込みの影を入れる。
- 影入れのポイントは、光の中の影・影の中の影を元に「一番暗くなる部分を決める」「形に沿って陰影を入れる」「照り返しなどの環境光を入れる」といったように影入れの意味ごとに細かくわけて考える。
- 影入れの練習として写真を階調化して影を観察し、分析した色を再現できるように模写をする。
影入れで悩まれている方は是非、今回ご紹介した内容と共に、陰影や配色を通して見る人に与えたい印象を意識して描き込んでみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
さらに詳しく学びたい方は解説動画をチェック!
こちらの動画では、実際に描き込む過程と詳しい解説を聞くことができます。より理解を深めたい方は是非ご覧ください。
記事元の作者:絵葉ましろ
お絵描き寄生植物Vtuberとして解説付きイラストメイキング動画投稿を中心に活動。
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