イラストテクニックが盛りだくさんな120分に密着! イラストレーター・漫画家 Anmiさんによるライブペイント&添削会レポート

イラストテクニックが盛りだくさんな120分に密着! イラストレーター・漫画家 Anmiさんによるライブペイント&添削会レポート

今回は去る5/26(土)に開催された、総合学園ヒューマンアカデミー主催、ワコム、いちあっぷ協力による『<全国開催>有名イラストレーターによるライブペイント&添削会』のレポートをお届けします!

 

ライトノベルの装画やゲームのキャラクターデザインなどを手がける、第一線で活躍中のプロイラストレーターをゲストにお招きして、ライブペイントや講評会を実施するこのイベント。プロの技術を”生”で見ることができる、業界志望者必見の内容です。

 

イベントは全6回を予定、第1回のゲストはイラストレーター・漫画家としてご活躍しているAnmiさんです。

 
Anmiイラスト

Anmiさんが日頃から使用しているイラストテクニックや、練習方法をはじめ、ヒューマンアカデミーに通う学生の皆さんのイラスト講評会の様子をお伝えします!

 

《Anmi プロフィール》

韓国出身のイラストレーター、漫画家。

 

『ファンタジスタドール』キャラクターデザイン原案やスピンオフコミカライズ担当。『放課後のプレアデス Prism Palette』ではコミカライズ担当とアニメーションのアイキャッチイラスト担当。ゲームイラストでは『Fate/Grand Order』や『拡散性ミリオンアーサー』などを手がけている。イラストメイキング本「CGイラストメイキングVol.9」の執筆も行い、様々なクリエイティブを制作している。

 

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▼目次

ライブペイント! Anmiさんが伝授するイラストテクニック

 塗りの前に影の落ち方を決める

 色トレスを使って柔らかさを表現する

 ぼかし、指先ツールを活かした塗り方

 色幅を増やして面白い表現に

教えて!イラストレーター・Anmiさん

 質問1:可愛い女の子の身体を描く上で参考にしているものは?

 質問2:イラストの練習方法は?

 質問3:独学で大変だったこととは?

作品講評

 学生作品1:総合学園ヒューマンアカデミー仙台校

 学生作品2:総合学園ヒューマンアカデミー秋葉原校

イベント参加者の声

総合学園ヒューマンアカデミーの次回イベントは7月16日(月・祝)

 

※本記事はヒューマンアカデミー株式会社の提供よりお送りいたします。

ライブペイント! Anmiが伝授するイラストテクニック

まずはライブペイントのコーナーです。

 

イラストを学生の目の前で塗りながら、合間にAnmiさんならではのテクニックを教えてもらえます。

 

今回はイベント時間の都合上、事前にカラーラフをご用意いただきましたので、こちらを元に塗り工程を仕上げていきます。

 

以下、イラストテクニックの一部をご紹介していきます。

塗りの前に影の落ち方を決める

Anmiラフ

Anmi:こちらが今回用意したイラストの線画+配色です。

 

私の場合、塗り工程の前に、配色のマスキングをして、さらに影がどこに落ちるかをあらかじめ計画しておくことが多いです。こういったやり方をすると、ある程度完成物のイメージがしやすくなります。

色トレスを使って柔らかさを表現する

線がなじむテクニック「色トレス」

Anmi:髪や肌の線画は、周りの色に合わせて線の色を変えると良いです。線が塗りに馴染み、柔らかい印象を与えられます。

 

例えば、肌周りの線画に対して、乗算でピンク系の色をのせて、肌の柔らかさを表現しました。こういったテクニックを各パーツに使うことで、イラストの完成度が上がっていきます。

ぼかし、指先ツールを活かした塗り方

ツールの使い方

Anmi:ぼかしツールを使うことで柔らかい印象を与えられます。

 

例えば、肌に硬いブラシを使って影を置き、その影の輪郭部分をぼかします。輪郭部分をぼかすことで柔らかい肌の表現ができます。

 

指先ツールは、絵の具を指で伸ばしたような効果を与えるツールです。

 

例えば、髪の陰影を円形に塗り、指先ツールで伸ばします。こうすることで、細かな影の表現もしやすくなります。まず影をどこに置くか大まかに決めたら、その影を指先ツールで調整していく手法です。

色幅を増やして面白い表現に

Anmi:影やハイライトに服装の色やテーマカラーを入れると、面白い表現になりやすいです。

 

このキャラクターの場合は、エメラルドグリーンがテーマカラーなので髪の一部に入れてみました。他にも脇の下の部分の影に、服の色(紺色系)を少しいれたりもしています。

 

ハイライトや反射光でもよいので、少し色幅を広げることでより魅力的なイラストに仕上がりますよ。

before after

これらイラストテクニックを踏まえて、完成したイラストがこちらです。約90分間のライブペイントでここまで仕上がりました!素晴らしいビフォー・アフターです。

教えて!イラストレーター・Anmiさん

続いて、事前に全国の総合学園ヒューマンアカデミーの学生から募集した質問と回答の一部をご紹介していきます。

質問1:可愛い女の子の身体を描く上で参考にしているものは?

可愛い女の子を身体を描く上での参考は

Anmi:グラビアやコスプレイヤーの写真、ファッション雑誌を参考にすることが多いです。

 

昔はイラストを参考に描いていましたが、実際のものを参考にすることで気付かされることが多くなりました。

 

例えば、グラビア写真を参考にすると、イラストでは気づけない肉感の表現があります。また、ファッション雑誌を参考にすることでユーザーが求めている衣装デザインや流行りのものを知ることもできます。

 

こういったプロセスが説得力のある作品に繋がっていくと思っています。

質問2:イラストの練習方法は?

Anmi:私が学生の頃は友人とイラストのテーマと期限を決めて制作し、お互いにフィードバックを出し合っていました。

 

誰かに見てもらうことで客観的な意見がもらえたり、褒められたりしてモチベーションの維持にも役立つと思います。

質問3:独学で大変だったこととは?

独学で大変だっとことは

Anmi:ツールの使い方を理解するのが特に大変でした。

 

今はネットや書籍がたくさんあるのでそこから覚えればいいのですが、デジタルイラストをはじめた頃はそういったものが少なく、苦戦していました。ツールの使い方で長い間悩んでいると無駄な時間を過ごしてしまうので……

 

また、私はデッサンのような美術の基礎的な部分をあまり学ぶ機会もありませんでした。基礎を重要視していなかったこともあり、独学だと取り組む機会が生まれなかったからです。

 

ですが、今となってはイラストを描く上で説得力のある表現をすることが大切だと気づき、デッサンやパースなどを学ぶことはとても大切だと思っています。

 

こういった部分を踏まえて、学校の授業を通し、ツールの使い方や絵の基礎を教わるのは時間の短縮につながり、有意義な時間を過ごせるのではないでしょうか。

 

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作品講評

 

作品講評

最後に作品講評です。ヒューマンアカデミーに在学中の皆さんのイラストを、Anmiさんが講評をする本企画。たくさんの応募の中から抽選で選ばせていただきました。

学生作品1:総合学園ヒューマンアカデミー仙台校

作品講評1

Anmi:表現の精度が高く、色使いもとても綺麗です。その中の人物表現の完成度も高いですね。

 

ただ、人物の色合いが薄く、存在感が弱い印象があります。背景の森と目先の壁の見分けがつかないので、イラストをパッと見たときに、画面が上の紫色と下の灰色の二つに分けられているだけという印象があり、それ以上のディテールが目立っておらずもったいないです。つまり、空と森を真っ二つに分けただけのように感じてしまいます。

 

解決方法として、森と壁の前後関係(遠近)をはっきりさせてみましょう。

 

そのためには、手前の壁全体の色を暗く調整し、電球の光をもう少し強めます。後ろの森は遠くなるほど色を薄く(彩度を低く)調整しましょう。

 

また、ディテールの細かさが手前と後ろで同じぐらいになっていると、手前の壁に注目が集まりにくくなるので、後ろの森はもっとざっくり表現するのをオススメします。

学生作品2:総合学園ヒューマンアカデミー秋葉原校

作品講評2

Anmi:キャラクターが可愛らしく描かれていて素晴らしいです!

 

絵をパッと見たときに「おっ、これは可愛い!」と思わせることって、実はすっごく難しいことです。キャラクターの表情から魅力を感じますね。

 

さて講評ですが、キャラクター部分では、特に指摘したい点はないです。これよりもっと上手く仕上げたいのなら、立体感をもっと与えたり、髪の毛の表現のクオリティを上げたりと、「もっと丁寧に見えるために描き込む」ことくらいだと思います。

 

ただ、背景や色使いには改善点があります。

 

まず、遠近とパースが少し不自然なので、ここは少し勉強が必要なのかもしれませんね。パースツールを使って解消することもできますが、遠近法を理解しないままでは応用が効かないのでオススメしません。遠近法の技法書を買ったり、学校であれば先生から教わったりしましょう。練習方法としては、背景のクロッキーをすることをオススメします。

 

配色は、ビビッドカラーメインなので難易度が高いですが、パッと見て人物が目立つのはよく出来ていますね。ただ、色配置の時点で色が強く、テクスチャを多用しすぎた結果、明暗の存在感が薄くなっています。よって立体感や量感が感じにくいです。

イベント参加者の声

以上、Anmiさんによるライブペイント&添削会でした。

 

最後は盛大な拍手とともに終わり、参加者の皆さんにとっても大変有意義なイベントとなったようです…!

 

 

 

総合学園ヒューマンアカデミーの次回イベントは7月16日(月・祝)

全6回を予定している、『<全国開催>有名イラストレーターによるライブペイント&添削会』。全国の総合学園ヒューマンアカデミー校舎にて無料で参加することができます。

 

次回は7月16日(月・祝)に開催!特別講師は47AgDragon(しるどら)さんです。

 

《プロフィール》

『塵骸魔京』(同人ゲーム版)を制作を期に、ニトロプラスに入社。その後、シャーベットソフトで『リザイン』『制服天使』でチーフグラフィッカーを担当。現在ではゲームイラストや小説の執筆、ノベルイラストなどで活躍している。pixivでイラストうまくなりたいグループ主宰。

 

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【申し込み無料】<全国開催>有名イラストレーターによるライブペイント&添削会

7月16日(月・祝)には47AgDragon(しるどら)さんによる特別セミナーが開講!

また、9月は珈琲貴族さん、11月にはlackさんが特別講師として登壇!こちらも無料イベントですので、気になる方はぜひ参加をお申し込み下さい!

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