構造と比率を覚えれば上達できる!腕の描き方講座
2017.02.01
肘や脇は構造が分かりにくく、曖昧に描かれることが多い印象のパーツです。
また、服などに隠れることも多く、肘はともかく、脇はまともに描かれる機会すら多くないのではないでしょうか。
ただ、人物のデッサンをするうえで関節というのは重要なパーツなので、描けるようになって周りに差をつけましょう!
▼目次
脇に関しては資料も少なく、非常に描き辛いパーツですが、筋肉の構造を覚えてしまえば描くのは簡単です。構造自体もそれほど複雑ではなく、腕を上腕二頭筋と上腕三頭筋に分け、その間に広背筋を潜り込ませるだけです。
三角筋は大胸筋と繋がっており、腕にかぶせるように描きます。この大胸筋、広背筋、腕の筋肉の隙間にできるくぼみが「脇」となります。
脇を描くには、まず、胸、肩、腕までを描きます。腕を直線で二等分し、上腕二頭筋と上腕三頭筋に分けます。上腕三頭筋が少し幅広になるように分けましょう。
その後、広背筋になる曲線を上腕二頭筋に刺すように描きます。その広背筋と最初に腕を二等分した直線を繋げ、三角形を作ります。最後に肩の筋肉である三角筋の裏側を描いて完成です。
忘れがちですが、これがないと肩周りのシルエットに違和感が残りますので注意しましょう。男性であれば腕の線を残し筋肉質に、女性であれば線を消し、影を入れて脇を表現しましょう。
肘は、前腕の骨である肘頭が浮き出たもので、向きによって見え方が変わるとても複雑なパーツです。言葉で説明すると難しいですが、形を丸暗記した方が近道になります。身体で覚えてしまいましょう。
肘の描き方はまず腕を描き、そこに肘を埋め込む形で表現します。とにかく腕の形やデッサンを正確にすることが大切です。
手の甲側の肘、手の平側の肘の描き方は、腕の描き方の際に紹介していますので興味があればそちらもご覧ください。
肘の裏側は、まず腕を描き、腕の境目の線を引きます。その境目の線を頂点に山になるように線を引き、余計な線を消して完成です。腕の境目の線は外側が上にくるように斜めに引くとよりそれらしい肘の裏側になりますが、最初の段階でそれをやるとデッサン自体が狂ってしまうので最後に行いましょう。
肘の表側は、上腕の先端に肘頭になる丸を描き、それに沿って肘のくぼみを描きます。横のくぼみの線は、手の平側の肘のくぼみと同じものです。しかし手の平側の肘より若干線は短く引きましょう。
以上の点をまとめると、
以上のことに気をつけて描いてみてください。
なお、もう少し詳しい情報は私の著書『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』の方を参考にしていただければと思います。
いろいろな角度の脇や肘の描き方、閉じた脇や、曲がった肘を描くうえでのコツも深く解説しています!
(下のリンクからアマゾンページへ飛びます。)
ニコニコ生放送で毎週金曜22:30より、絵の描き方を教える「お絵かき救命病棟24時!」もやっておりますので興味があればぜひどうぞ!
http://com.nicovideo.jp/community/co1921867
ホームページ http://atipe.net/
pixiv http://www.pixiv.net/#id=18923
Twitter https://twitter.com/atype55
ニコニコ生放送 http://com.nicovideo.jp/community/co1921867
フリーランスのイラストレーター。
様々な絵柄を駆使し、カードゲーム「マジンボーン・データカードダス」「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」のイラストや、4コマ漫画「BIOHAZARD THE TOON」の執筆、小説の挿絵などを手がける。また、絵の描き方本『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』を執筆し、活動の幅を広げている。