肩は、首や胸、背中に繋がる重要パーツです。ただ、そのぶん構造も複雑で、自在に動く腕がその難易度に拍車をかけます。構造の理解も重要ですが、形を丸暗記したほうが近道になるので、しっかり覚えて上半身最難関の肩を攻略しましょう!
▼目次
肩の構造
肩が複雑で描きづらい原因は、首や胸、背中といった上半身のいろいろなパーツに繋がっており、それらが複雑に組み合わさっているからです。
しかし、それとは裏腹に肩の筋肉である三角筋は、どういう動きをしようが形が変わることはほとんどありません。したがって三角筋の形を丸暗記してしまって、あらゆる角度から描けるようになってしまった方が、細かな構造や動きの法則性に頭を悩ませる機会がぐんと減ります。
肩を描くコツ:三角筋を丸暗記
三角筋は、その名の通り正面から見ると三角形のように見えますが、正確にはレードル(先の尖ったおたま)のような変形した半球型をしています。少し難しい形をしていますが、これを覚えれば肩の構造の理解が一気に早まりますので覚えてしまいましょう。
肩の描き方
肩を描く際は、胴体や足のデッサンは先に済ませておきましょう。肩や腕が邪魔になり、胴体などが描きづらくなってしまいます。
他のデッサンを済ませたら、肩のアタリを描きます。そのアタリから肩のアウトラインを描き、そのラインを繋げてデッサン完成です。
描き方自体は簡単ですが、三角筋の大きさの比率の調節が重要で、肩幅や腕の太さも決める基準になるため、いい加減に描かずに、しっかり比率を確認しましょう。
三角筋と肩幅の比率はそれぞれ中心から1:2になります。男性の場合は三角筋がもう少し大きくても問題ありません。
鎖骨と肩のつながり
腕を上げたキャラクターを描くとき、肩に違和感を感じることが多い人は、鎖骨の位置に原因がある可能性があります。
鎖骨と上腕骨、肩甲骨は繋がっており、腕を上げると肩が上がり、それに合わせて鎖骨も上に上がります。腕だけ上がるように描いてしまうと、肩が脱臼しているように見えてしまうので気を付けてください。
また、鎖骨を上に上げる際、アタリの位置が横に伸びてしまい、デッサンが崩れることも多いです。これもキャラクターの肩が脱臼しているように見えてしまうので、肩のアタリの横に垂直な線を引き、それを基準にして鎖骨のアタリを動かしましょう。
まとめ
以上の点をまとめると、
- 三角筋はどんなに動かそうが形はほどんど変わらないので、形を丸暗記しよう
- 三角筋はレードル型をしている
- 三角筋と肩幅の比率はそれぞれ中心から1:2
- 肩を上げるといっしょに鎖骨も上に上がる
以上のことに気をつけて描いてみてください。
なお、もう少し詳しい情報は私の著書
『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』の方を参考にしていただければと思います。
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フリーランスのイラストレーター。
様々な絵柄を駆使し、カードゲーム「マジンボーン・データカードダス」「ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ」のイラストや、4コマ漫画「BIOHAZARD THE TOON」の執筆、小説の挿絵などを手がける。また、絵の描き方本『デジタルイラストの「身体」描き方事典身体パーツの一つひとつをきちんとデッサンするための秘訣39』を執筆し、活動の幅を広げている。