【DL同人】にゅう先生に聞く!身につけておくべき時間の感覚

【DL同人】にゅう先生に聞く!身につけておくべき時間の感覚

いちあっぷブックスで好評発売中!の『DL同人、はじめてみたらこうだった 成功者の実体験から学ぶ自分らしい稼ぎ方』の第2弾が刊行されました!

 

イラストレーターがマネタイズをしていく取り組みのひとつとして、ネットで漫画を描いて稼ぐという手段が台頭している昨今。「どうやって作品を生み出しているんだろうか」「SNSを上手く使うにはどうしたらいいか」など様々な視点で大ヒット作を生み出している著名作家の皆さんへインタビューを行いました!


本記事シリーズでは『DL同人、はじめてみたらこうだった 成功者の実体験から学ぶ自分らしい稼ぎ方2』から内容を1部抜粋し、著名作家の御三方の成功例を元に、同人誌で稼ぐ秘訣を紐解いていきます!

 

第2回目は、FANZAにて同人ランキング累計1位獲得しており、『催●なんてかからない!!!』シリーズなどのネット発の漫画でヒットを飛ばし、DL同人に限らず同人ゲームなど様々な形で作品を展開しているにゅう先生に、などのノウハウの数々を教えてもらいました。

 

継続的にヒット作品を生み出す方法やテクニックに興味がある方は特に参考にしていただきたいお話です。

 

※本記事は『DL同人、はじめてみたらこうだった 成功者の実体験から学ぶ自分らしい稼ぎ方2』(著:いちあっぷ編集部、構成・執筆:いしじまえいわ)から一部抜粋したものです。WEB向けに一部調整しているため、本書と内容が一部異なります。

 

■目次

作家活動の礎となった「3年で1000枚投稿」

1日1枚描く。継続するための心得

身に付けておくべき「時間の感覚」

 

インタビュイー:にゅう先生 同人作家。FANZAにて同人累計1位獲得。そのほかDLsiteなどで人気作品を多数連載中。近年は同人ゲーム制作にも力を入れている。

X:https://x.com/nyu7nyu

 

 

作家活動の礎となった「3年で1000枚投稿」

 

――フルカラーイラストを毎日投稿というのはものすごいモチベーションですよね?

にゅう:
投稿数は3年間で1000回を超えていました。4年目は280回くらいになっていたんですけど、おおよそ毎日投稿していたと言っていいくらいの頻度だったと思います。

 

――先程「大学生になり社会人になり絵から離れていた」と仰っていましたが、つまりクリエイティブ系の進路ではなかったんですよね?

 

にゅう:
はい、国立大で、クリエイティブ系ではないとある分野の専門的な勉強をしていました。高校では運動部だったので大学生時代はテニスサークルに入って、徹夜でマージャンしたりとか、いわゆる普通の大学生的な、オタク的漫画じゃない方向に行っていました。


大学在学中にとある分野の国家資格を取得し、卒業後はその分野で就職しました。社会人になってからはゴルフとかパチンコとかで、やはりしばらく絵からは離れていましたね。

 

――そんな中でブッチャーU先生に影響を受け、仕事をしながらイラスト投稿を始められたわけですね?

 

にゅう:
はい。2009年から結局4年間は会社員をしながら絵を描いていた感じです。

 

――この時点で異質に感じるのが、3年間で1000枚という描いた枚数といいますか、ペースの速さです。この速さが今の先生の作品数や発表ペースの速さにつながっているように感じます。

 

にゅう:
そうですね。今回DL同人に関するアドバイスを、ということなんですが、自分の場合3年間毎日絵を描いてネットに公開していたことが前提になるので、インタビューとしてはちょっとやりづらいですよね(笑)。

 

――でも、むしろそれ自体が確実なアドバイスにもなっているわけですよね。

 

にゅう:
確かに、毎日続けることで初めて実現したり達成できたりする部分はあると思います。絵の技術はもちろんですが、その他にも知名度は上がりましたね。その3年間の間に「すごいスピードで投稿してるやつがいる」と噂になっていたようで、今でもたまに言われるんですよ。

 

「この人いったい何者なんだろう、と思ってた」とか「小学生の頃見てました」とか。小学生の頃見てちゃダメだろと思いますけど、そういう人が今、同じ漫画家になったりしていますから年季は感じますね。

 

――ぜひそのコツを伺いたいのですが、前提として、この頃はただ絵を描いていたわけではなく、必ずアップするところまでされていたわけですよね?

 

にゅう:
そうです。私の場合、絵を描き始めてから投稿するまでを1つのリズムにしていたんですよ。たとえば線画までとか下書きまでとかといったことがなくて、描き始めたら投稿するまでがワンセット。

 

夜10時に描き始めたなら、しんどいなーと思っても描き続けて12時に投稿、というところまでやって終わっていました。

 

――それもカラーですよね?

 

にゅう:
ですね。3年で1000枚と言いましたが、ラフとかも入れたら1200~1300枚くらいになるかもしれません。もちろん体調を崩したり出張したりで描けない日もありましたが、その場合は翌日2枚上げたりもしていましたから、基本的に「フルカラーで毎日描いてた」と言って嘘ではない程度には描いてました。

 

――どうしてそれができたんだと思われますか?

 

にゅう:
楽しかったからですね。特に、レベルアップする感覚があったんですよ。高校の部活動とかではいくら練習しても結局レギュラーにもなれず、「あいつ頑張ってるけど下手だよな」という風に下に見られてたタイプだったんです。

 

そういう「自分は頑張ってもダメ」という経験を社会人までしてきて、絵を描くようになった時、成長する手応えが明らかに違ったんですよね。

 


ちょうどその前後で当時の任天堂の岩田社長が「他人より少ない時間やエネルギーでいい結果が出せることがその人の得意なことだ」というようなことをおっしゃっている記事を読んだりしたんですけど、まさにそれだったんです。

 


絵が上手くなっていく実感がありましたし、毎日アップするのは大変だけどそもそもエッチな絵を描くのは楽しいし、見せるのも楽しいし。楽しい趣味になっていたんですね。それでゴルフやパチンコからは離れて絵に専念するようになっていきました。

 

――その楽しさの一部に、人の反応という要素もあったようですね。

 

にゅう:

はい。やっぱり承認欲求があったんだと思います。当時はさらにpixivのアクセスランキングがありましたから、ランキングの上を目指す楽しみもあったと思います。

 

最初は100位にも入らなかったのが、いつの間にか30位、20位と上がっていく楽しさ。結局私は最高3位で、1位2位は取れなかったんですけどね。


この本の1冊目でお話をされていた、サークル「かみか堂」の銀曜ハル先生は何度か1位を取られていました。ハル先生は専業作家としては私より2年くらい先輩なんですが、いきなり専業スタートされていたと思うので、pixivの頃はもう同人作家として活躍されていたんじゃないかな。私はまだ会社員をやりながら絵の修業をしていた時期でしたね。

 

――絵を見た人の反応がモチベーションにつながるということでしたが、逆の影響はなかったんでしょうか? たとえば絵にケチをつけられたり悪口を言われたりすると傷つくと思うんですが。

 

にゅう:
修行しているタイミングでは、たとえばもっと丁寧に描けといったようなことを時々言われたんですよ。ただ、先ほど言った通り自分は部活動とかではできない側の存在だったし会社でもいじられたりするような側だったので、できない側としての精神が叩き込まれてたんです。

 

なので先ほどの「丁寧に描け!」という旨のコメントにも「丁寧に描いてはいるのですが、丁寧に描いた絵と思っていただけるかはまた別問題でして、申し訳ございません。おっしゃる通りでございます。これからも頑張ります」と返信したのを覚えています。

 

――それは本心でした? それとも内心は反発感もありました?

 

にゅう:
結構本気でそう思っていました。なにしろ修行中の身でしたし。というか、今でも自分がそんなすげえヤツになった、みたいな認識はないですし、マウントをとるみたいなこともないですね。謙虚に下からが基本です。

 

さすがに最近は実績が積みあがってきたのでそういうこともあんまり言われなくなりましたけど、仮に今「お前下手だな」的なことを言われたとしても、画力でプライドを折られるようなことは無いかな。
逆にストーリーをあんまり面白くないと言われて半年くらいヘコんだことはあります。

 

――半年はかなり重症ですね。何があったんですか?

 

にゅう:
ゲーム制作が佳境の時だったんですが、「ゲームなんか作らなくていい」とか「昔の方がよかった」といったコメントをいただいたんです。

 

また後の方で話すことになると思うんですが、ゲーム制作って本当に辛いんですよ。それが終盤ともなると本当に「もう助けてくれ」みたいなメンタルになっているので、そんな中で「昔の方がよかった」と言われたのは、まあキツかったですね……

 

――ではそのお話はまた後程おうかがいしたいと思います。では改めて、1日1枚描く上での具体的なコツについて教えてください。

 

1日1枚描く。継続するための心得

 

にゅう:
そうですね、描きたいものについて考えるのではなく、まず描くことですね。


「これから描く絵について熟考して1枚1枚しっかり描くべき」という考えも、もちろん正しいと思います。
ただ私の場合は量産性にガン振りしているところがありまして、量産ガン振りにするためには、描きたいものは描きながら考える。

 

ラフを描いてみて顔が上手く描けたら続きを描く。結局ちょっと変な絵になっちゃったなと思っても1日1枚は投稿する。投稿するまでを1サイクルにしていたので、イマイチでも投稿できたならOK、というマインドでやっていました。

 

毎日投稿を継続させることを目標と考えると、多少イマイチでも投稿すれば目標達成ですからスッキリです。
こだわる部分はこだわりますが、最優先は投稿だったわけです。

 

――つまり、イマイチでも投稿しろ、ということですね!

 

にゅう:
そう、イマイチでも投稿しろ、です! おかしなアドバイスに聞こえるかもしれませんが、イマイチと思っても毎日投稿した結果私はDLsiteさんやFANZAさんのランキングでそれなりの実績を出せているので、信じてほしいですね。


あ、これは投稿の話でして、同人誌のページは、かなり手を入れて、いわゆる『いまいち』な部分を可能な限り無くして提供しております!

 

――にゅう先生の描くスピードとその結果としての作品数について、どうやったら実現できるの? というお話を聞きたかったんですが、「イマイチでも投稿しろ」はその真髄のような気がします。

 

にゅう:

ホントにイマイチすぎると、評価は下がりますが、毎打席ヒットは打てないものなんですよ。

 

大谷さんみたいな例外もいますけど、普通は打てる時もあれば出塁できない時もある。毎回ホームランじゃないと嫌だからといって打席に立たない、というのは違いますよね。まず毎回打席に立つことが大事で、それは絵で言うと『毎日投稿』でした。

 


そうすると「今日はしんどいから休もう」ということは無くなっていくんです。ここが重要なところだと思いますね。「今日はしんどいからやめとこ」を認めてしまうと、結局その後描かなくなっちゃうんですよ。今日はいいや、明日でいいや、ってなりますよね。私の場合「明日でいいや」はなかったです。投稿するまで寝ない。

 

――1日1枚投稿するのにどのくらい時間をかけていましたか?

 

にゅう:

ごくまれに4時間とか8時間とかかけちゃうこともありましたけど、基本は2時間くらいです。背景無しのキャラクター絵だけなので、頑張れば描けるかな、という感じです。で、「昨日上手く描けたところは今日もやろう」と思ってそうしてたんですよね。

 

基本2時間で描くんですけど上手くいったところにもうちょっと描き足すので、徐々にかかる時間が長くなっていきます。だから最終的には2時間半とか3時間くらいかかってたと思うんですけど、そうすることで得意な描き方や表現できることが増えるし、毎日繰り返すので筆も速くなっていきます。絵の情報量も増える。

 

というわけで、時間は惜しんで手間は惜しまず、短時間でいいものを描けるようになる、というところを目指していました。

 

――なるほど。「単に毎日描いていても絵は上達しないのでは?」と思っていたのですが、「前に上手くいった描き方は次回以降も繰り返す」というもう1つのコンセプトがあったわけですね。それによって慣れていき、時短の練習にもなる。

 

にゅう:
そうですね。その前提として毎日投稿することが大事ですから、描きたいものが無くてもまず描く、ということになるわけです。ただ、そうやって毎日描いてると不思議と描きたいことも自然と出てくるようになりますから、実際やってみればそんなに苦ではないと思いますよ。
 

 

身に付けておくべき「時間の感覚」

 

――今からDL同人を始めるにあたって、まず何をすべきでしょうか。売上目標500円、1万円、10万円と上げていく上ですべきことがあれば教えてください。

 

にゅう:
これに関してはすごくいいアドバイスがあります。まず、目標を金額で設定するのはやめた方がいいです。

 

重要な指針はそこではなくて、まず自分が作品を作るために必要な時間を正確に把握するんです。たとえば仕事をしながら1作描くのに2カ月かかったとします。それが毎日寝ずに8時間描いての2ヵ月なのか、毎日4時間かけて2ヵ月なのかで話は全然変わってきますから、できれば日ではなく時間で把握した方がいいです。

 


で、本が発売できて売り上げが発生したら、時給何円だったのかを確認します。それで生活が成り立つのか成り立たないのか。兼業作家であれば何時間かかってもいいんですけど、専業作家になるなら自分の生産性を知っておくことはすごく大事です。

 


自分の生産性、より具体的には1ページをどれくらいの時間で描けるのか、それが時給いくらになるのかを把握する癖をつけておけば、自分が専業のプロとしてやっていけるのかどうかの判断になりますし、時間を意識するようになってより効率的な描き方をするようになったり集中力が上がったりするという副次的効果もあります。

 

私の場合、「1週間くらいでこれくらい進んだ」みたいなボンヤリした把握ではなく「6日半、〇時間で×枚描けた」と把握するためにメモをしていました。

 

そうすれば〆切に対して今自分がどのくらいのペースで描けているのかもわかるし、遅れているならそれなりの対策が立てられます。

 

そんな感じで時間を意識するとボンヤリしたことが無くなっていくので、時間を計るようになって悪かったことは無いですね。

 

 

――時間を把握することで描くスピード自体も速くなるものなんでしょうか?

 

にゅう:
ペースがつかめると前にやったことプラスアルファをしたくなるので、2作目は少し遅くなると思います。でもそれを繰り返していくうちにすごく速くなっていくんですよ。


また、時間の把握に伴って漫画の描き方のパターンというか型のようなものが身に付いてくると、やり直しが減ります。一番作業が遅くなるのは途中まで描いたものをボツにすることで、一番作業が早くなるのはボツややり直しがないことです。

 

――先生流のネームの描き方も、やり直しが発生しにくいのが利点とおっしゃっていましたね。使わなかったページの再利用も、確かに効率に直結しそうです。

 

にゅう:
あとは、2、3作並行して描くのもいいと思いますよ。1つの作品で行き詰っても違う作品を描くことで作業が進むこともありますし、ずっと1作に向き合い続けてウンウン考えるよりも全体的なリリースペースは確実に前に進ませられますから。

 

あるミュージシャンも、1つの曲で行き詰ったら別の部屋に行って別の曲を作ったりするそうですから、一緒かもしれません。


こんな感じで、時間を意識するようになると自然と無駄を省こうとするようになるので、必然的に効率的な作業方法を探したり工夫したりするようになります。

 

そうやって効率を高めることで制作本数や売上にも影響が出ます。ですので、売上そのものを目標にするのではなく、時間を把握し効率を高めることに意識を向けた方がいいと私は思います。

 

――具体的なアドバイスをありがとうございます。
 

 

著:いちあっぷ編集部

構成・執筆:いしじまえいわ

 

続きは、『DL同人、はじめてみたらこうだった 成功者の実体験から学ぶ自分らしい稼ぎ方2』より御覧ください。

 

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