メリハリで作品を演出する!ごちゃごちゃした世界を描いてみよう

メリハリで作品を演出する!ごちゃごちゃした世界を描いてみよう

「ごちゃごちゃした世界を描きたいけど、ややこしくって私には大変かも……」そんな風に考えてしまって、なかなか手を出せずにいませんか?

 

ごちゃごちゃした密度の高いイラストを描くと、画面の情報量が増え、見ごたえのある作品に繋がります。しかし、単に描き込むだけだと、作品の見所が分かりづらくなってしまいます。

 

そこで今回は、見所が分かりやすくなる、ごちゃごちゃした世界をカンタンに生み出すための3つのテクニックをご紹介します!

 

▼目次

テクニック①:「おおきい」「ちいさい」「超ちいさい」を描こう!

 1.「おおきい」ものを1つ用意しよう

 2.「ちいさい」ものを3〜5つ追加してみよう

 3.「超ちいさい」もので画面を引き締める!

テクニック②:「しろい」のとなりは「くろい」

 1. 顔が「しろい」なら、顔の下は「くろい」

 2. 肌が「しろい」なら、服や髪は「くろい」

 3. 背景が「しろい」なら、人物は「くろい」

テクニック③:「ふとい」のとなりは「ほそい」

 もっと“直感的”に描くには??

 

 

テクニック①:「おおきい」「ちいさい」「超ちいさい」を描こう!

絵の描き方

ごちゃごちゃした世界を描くときは、闇雲に小さいものを置かないようにしましょう。

 

そこで、

  • おおきい
  • ちいさい
  • 超ちいさい

3つのサイズをバランス良く揃えることで「ごちゃごちゃ、かつ見やすい」画面が作れます。

 

では、これら3つのサイズから、ごちゃごちゃした世界観を作る流れを見ていきましょう。

1.「おおきい」ものを1つ用意しよう

絵の描き方

まず「おおきい」ものを用意して、後から色々とパーツを足していくというやり方をしてみましょう。

 

この時点では、ややこしいカタチを描く必要はありません。むしろ可能な限りシンプルなものを選ぶと、上手くいきます。

2.「ちいさい」ものを3つ〜5つ追加してみよう

絵の描き方

次に「ちいさい」ものを足していきます。なるべく先に描いた「おおきい」パーツとはっきり違う大きさで描きましょう。ベルトやひもなど、細く長いものもここに入ります。

3.「超ちいさい」もので画面を引き締める!

絵の描き方

最後の仕上げとして、「超ちいさい」パーツを追加します。ここでは、ペンで軽く打った点やネジの1本、砂の粒、ワイヤーなどのとても細かいアイテムのことを「超ちいさい」ものと呼びます。このステップが「ごちゃごちゃ感」を生む、決め手になります。

テクニック②:「しろい」のとなりは「くろい」

「大きさのバランスは整理されたけど、まだメリハリが弱い気がする。」そんなときは、「しろい」「くろい」の区別がとても便利です。

1.顔が「しろい」なら、顔の下は「くろい」

絵の描き方

極端な例ですが、白いキャンパスに、ホワイトで何か描いてもさっぱりわかりませんよね?

 

白同士が隣り合っている「メリハリがない」という状態は、配色をする際は避けなければいけません。

 

人物の絵なら、顔の下に落ちる暗いカゲがここで言う「くろい」に当たります。「しろい」顔のとなりに「くろい」カゲを置くことで、必要なメリハリを出すことができる、という仕組みです。

2. 肌が「しろい」なら、服や髪は「くろい」

絵の描き方

ごちゃっとした服装の人物の場合、肌の色の明るさから決めて、整理していくのも手段です。

 

肌が明るい色、つまり「しろい」なら、服の色をグレーか暗めに「くろく」することで画面が整理されます。反対に、肌が「くろい」ならば、服は「しろく」するとまとまって見えていきます。

3. 背景が「しろい」なら、人物は「くろい」

絵の描き方

背景と人物が、どちらも同じ「あかるさ」で描かれていませんか?

 

ごちゃごちゃとした背景がある場合は、特に背景と人物とのメリハリをつけなければなりません。つまり、背景が「しろい(明るい)」なら、人物を「くろく(暗く)」すると良いのです。

テクニック③:「ふとい」のとなりは「ほそい」

絵の描き方

この考え方は機械を直感的に描きたいときに便利です。機械の細かい知識は置いておいて「ふとい」ものと「ほそい」ものを交互に使うという、いわゆる「ゴリ押し」なテクニック。ただ勢いで描ける反面、どんな働きをする機械なのかは自分で発想する必要があります。

もっと“直感的”に描くには??

絵の描き方

最後に、ごちゃごちゃした世界を直感的に描くためのテクニックとして「同じカタチをダラダラと続けない」があります。

 

「丸を描いたなら四角を、硬いものを描いたら柔らかいものを、大きいものを描いたら小さいものを……」という調子で、パッパッと次の新しいカタチを継ぎ足しましょう。

 

モノを置く角度や間隔を変えることも有効です。テクニック①と組み合わせることで、全体のバランスを取りつつも斬新なカタチの機械やガラクタを生み出せます。

まとめ

「ごちゃごちゃしたものを描くためには、フクザツに考えなきゃいけない」わたしたちは、どうしてもそんな風に考えがちです。

 

でも今回は、「シンプルなことの積み重ねで、ごちゃごちゃしたものをカンタンに表現できる!」ということを紹介してみました。

 

ぜひあなただけの「ごちゃごちゃした世界」を描いてみてくださいね!

著・画  松村上久郎(まつむら かみくろう)

絵の描き方

イラストレーター・ペン画家・ペン画民YouTuber。
『辛くならない絵の描き方』『心にのこる絵の描き方』(秀和システム)などの「現代絵描きをメンタル面までカバーする」技法書を制作するかたわら、主にペン画でのイラスト・額絵・漫画(BD)制作を中心に活動している。コンセプトは「ロボットから、うさぎさんまで。( From Robot ,to Rabbit.)」

 

現在、YouTubeチャンネルにお絵描きメイキング動画を投稿すると同時に「リア充爆発系非リア陰キャぼっちお絵描きたれ流し生配信」など随時配信中。

 

YouTubeチャンネル :  https://www.youtube.com/c/松村上久郎

HP :  http://www.nanmo-nanmo.com/

Twitter :  https://twitter.com/M_Kamikuro

公式ハッシュタグ: #リア充爆発系非リア陰キャぼっちペン画民YouTuberさん