動物をモチーフにしたマスコットキャラクターは、一般的に広く親しまれています。特に世界的に有名なキャラクターほど、大胆にデフォルメされていて誰にでも描けそうなデザインです。
しかしいざ描こうとすると、犬なのに猫に見えたり、ケモノ脚にしたらポーズが付けられなくなったりと、簡単そうに見えるデフォルメほど意外と悩んでしまうものです。
今回はマスコットキャラクターやぬいぐるみなど、二足歩行で歩くようなデフォルメされた動物キャラクターの描き方を紹介します。
<目次>
「かわいい」「デフォルメ」とは
実際に描いてみよう
・顔
・手足と胴
・仕上げ
まとめ
「かわいい」「デフォルメ」とは
まずはじめに、「かわいい」「デフォルメ」とは具体的にどういうことを指すのか簡単に考えてみましょう。イラストでよく聞くデフォルメとは「形を簡略化して特徴を目立たせること」です。そして人間は、「赤ちゃんのようなフォルム」をかわいいと感じます。
赤ちゃんのようなフォルムを具体的に挙げると、2~3頭身、丸く大きな頭、パーツが下に寄った顔、ふっくらした胴体や手足など、他にもたくさんあります。これは人間の赤ちゃんだけでなく、動物の赤ちゃんにも当てはまります。
しかし、実際に「かわいい」と思うものは人それぞれですので、あなたがかわいいと思うバランスを探りながら進めてください。
また、動物も種類によって特徴がかなり異なります。デフォルメキャラを描く場合にも実際の動物をよく観察して特徴を掴みましょう。それではこれらを踏まえて、実際に描いていきます。
実際に描いてみよう
かわいいと思うバランスを探るため、キャラクターの目安になるアタリを取ります。
丸に顔の正中線や目の高さの目安になる十字を入れて、適当に顔を描き入れてみます。あまり描き込みすぎず、目の間隔や口の位置、高さなどを調整して好みのバランスを探します。いい感じになったらしずく型の胴体を足し、手足を生やします。
この時点で大体のバランスが決まるので「これだ!」と思うまで試行錯誤してください。ですがこれはあくまでも目安です。描き進めていく段階で調整を加えていくので、きっちりと整える必要はありません。
作例は筆者の好みで描いていますので、同じ形にしなくても問題ありません。頭身を変えたり、足先を太くおおきくしたり、胴体をもっと小さくしてもいいです。
足先を大きく描いて重心を安定させるとぬいぐるみっぽいフォルムになります。ぬいぐるみは飾ったりするものなので、転ばないように重心が下の方にあるものが多いからです。
生き物らしさを強くしたい場合は、手足の形にこだわりましょう。手足を小さくしすぎると指などを描き込むのが難しくなってしまうのである程度の大きさを保ちつつ、大型動物なら大きな手足、小動物なら小さな手足にするとそれらしく見えます。
頭身を3〜4頭身くらいにすると、小さな獣人やモンスターにもなります。
・顔
まずはベースを描いてから、耳やもふもふを足します。
ネコは「小さい鼻」と「大きな耳」、イヌは「大きい鼻」に「小さい耳」など、必要な特徴を盛り込んでください。また、長いマズル(鼻)の場合は鼻先が下がるので、鼻をアタリの時よりも低い位置に描くとマズルらしく見えます。
・手足と胴
実際の動物や人間の赤ちゃんの手を参考にして描きます。赤ちゃんの手は丸々としていて、指同士の長さの違いは大人よりも目立ちません。
今回は獣脚にしますが、角度が付いていない獣脚を正面から見るとほぼまっすぐに見えます。動物の脚は伸縮性があり、曲げ伸ばしすると形が変わって見えます。ただしデフォルメであっても構造は本物と一緒ですので、骨や関節があることを忘れてはいけません。
デフォルメするとボディラインが平坦になるため、この段階で胴体とお腹も描いて全体のバランスをまとめます。
・仕上げ
最後に尻尾を描いて、お好みでもふもふや模様を足し、細かい調整をしたら完成です!色を塗る際、主線にも色をつけるとさらにポップでかわいい感じに仕上がります。
まとめ
可愛さを強調するにはデフォルメが最も有効です。デフォルメをする際は色々なものを省略してスッキリ見せることが重要になります。思い切ってシンプルな形にしてしまいましょう。
いくら頭身を低くしても部分部分を詳細に描き込んでしまうとデフォルメキャラには見えなくなってしまいます。しかし、それを逆手にとって細かいところを描き込めば、写実的な幼いキャラクターやリアルなぬいぐるみを描くことも可能です。
デフォルメは簡単に見える一方で、形を「簡略化」しているわけですから、本来の形を知らないと簡略化もできません。難しいと思った時は実際の形をよく観察して特徴を探してください。
著・画 山羊ヤマ
WEB:http://arcadia-goat.tumblr.com/
筋肉と獣人と少女が好きなフリーのイラストレーター。PBWやソーシャルゲームでモンスター・人外・筋肉・男性を中心に描かせていただいております。