Twitterやpixivなどに投稿されるたくさんのイラスト。誰しもが自分の描いた作品を大勢に見てほしいと願っているのではないでしょうか?
大勢の人の目を止めるには、一瞬で良さが伝わる見栄えが必要だと考えています。特にキャラクターイラストでは、顔が重要です。いかにして見栄えの良い顔=「映える顔」を描けるかが「映える作画」のポイントではないでしょうか。
映える顔を描く表現のひとつとして「立体感」があります。立体感を与えることで違和感が解消されて、説得力のある画面となり、見栄えの良さへとつながっていきます。
今回は、技法書レーベル「いちあっぷブックス」から、『映え作画~プロ100人が教える魅力的なキャラ作り~』より、立体感のある顔の描き方をご紹介します。
▼目次
立方体で頭部を単純化して描こう
単純化することで作画の違和感に気づける
立体感のある頭部を描くコツは、頭部を単純化して描くことです。
例えば上図のイラストを見てみましょう。
単純化して捉えられるように、立方体を活用します。立方体を活用する理由は、側面の意識です。人物の作画は情報量が多いので、側面の意識が抜けがちですが、立方体として捉えることで、側面を意識しやすくなります。
立方体を活用することで、体が前に出ているように見えて、頭部の角度と体の角度のズレが分かりやすくなりました。
この違和感を踏まえて調整したのが上図のイラストです。
自然に見えるように頭部と体の角度を調整しました。立方体で捉えることで、体と頭部の縦ラインを確認しやすくなるので調整しやすくなります。
さらに、生え際と頭頂部の面を意識すると、立体感に説得力が出てきます。
人体パースが把握しやすくなる
こちらも、より立体感のあるイラストに修正できます。
ポイントは顔の奥行き・目のパース感です。意識されてはいますが、立方体を活用することで、もう一歩詰めて絵の説得力を上げられます。
立方体を活用した頭部のイラストがこちらです。
顔の奥行き・目のパース感が自然な印象が生まれたと思います。さらに、アオリの構図のイラストも下の面が見えるため、より把握しやすくなりました。
立方体で面とパースを意識しよう
それでは、立体的に顔を描くコツ手順を紹介します。
まずは、描きたいアングルに合わせて、立方体で面とパースを意識します。そこから段階的にアタリを取ることで、顔のバランスが崩れにくく説得力のある描写になります。段階で分けて考えていきましょう。
1.顔を立方体の中に入れる
顔の「面」を意識するために立方体に入れてみましょう。上図では、サイドの横ラインがやや平行気味です。また、アオリ気味の絵ですが下の面があまり見えていません。
2.描きたい顔のバランスに合わせて、立方体を調整
描きたいアオリの角度を考え、立方体の形を調整します。
3.頭部のアタリを描く
立方体に合わせて、単純化された顔を入れます。
4.目のくぼみや耳のアタリを描く
単純化した頭部のアタリに対して、目のくぼみや生え際、耳の位置などを意識すると立体的になります。
5.目・鼻・口のアタリを描く
目や口、鼻などを描きやすいようにアタリを決めます。
描いたアタリをもとにして、清書したら完成です。
最後に
人体を単純な構造で考えると、立体がグッと理解しやすくなります。立体で面や角度を意識した上で立体的な顔が描けば、説得力が出てくること間違いなしです。
「立体的な顔の描き方」や「映えるイラストのテクニック」について更に知りたい方は、『映え作画 ~プロ100人が教える魅力的なキャラ作り~』をご覧ください。
まとめ
- 立方体で頭部を単純化すると、立体が把握しやすくなる
- 顔を立方体に入れることで面とパースの意識をつかむ
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