前回の線画講座に引き続き、今回は主に線画の種類と着彩時の相性を解説します。
線画とひとくちに言ってもさまざまな解釈や描き方があり、着彩するうえで合う・合わないが存在します。まずは線画の種類について解説します!それでは見ていきましょう。
▽目次
線画の種類
癖のない線画
立体感を意識した線画
凹凸や濃淡などを細かく追った線画
粗めの質感を出した線画
線主体の線画
着彩して見比べる
5つの線画をあっさり塗る
5つの線画をしっかり塗る
線画の種類
こちらが土台となるラフです。このラフを参考にして線画の種類を紹介します。
癖のない線画
抑揚や癖のない(非常にスタンダードな)線画です。どんな塗り方にも対応でき、汎用性が高いです。
立体感を意識した線画
線に多少の抑揚をつけ、立体感を意識したものです。このくらい墨溜まりや抜きなどを作っておくと、塗る際にガイドとして意識しやすいです。
凹凸や濃淡などを細かく追った線画
線画に描写量を増やして、凹凸や濃淡などを細かく追ったものです。
このくらいしっかり描いておくと、「あっさりした塗り」にも対応できます。対して、線画の情報量が多いので「しっかりした塗り」には、線がうるさく見えることもあります。
粗めの質感を出した線画
「凹凸や濃淡などを細かく追った線画」で使用したペンに、鉛筆のような粗めの質感を出したものです。この方向性だと、着彩時にもニュアンスやテクスチャがあると合うでしょう。
線主体の線画
ペンの太さを変えた、線主体の描き方です。
どちらかというとデフォルメしたものやアメリカンなテイストに合うでしょう。
着彩して見比べる
5つの線画をあっさり塗る
こちらはあっさりした塗りになるよう着彩したものです。それぞれ見比べてみましょう。
「粗めの質感を出した線画」は線自体がニュアンスのあるブラシなので、着彩もテクスチャをかけてあります。すべて成り立ってはいますが、いちばんしっくりくるのは「線主体の線画」になるかと思います。
着彩の邪魔をしないための線画なので、どこか途中のような印象をあたえてしまうかもしれません。
5つの線画をしっかり塗る
割としっかりした塗りになるよう着彩したものです。
前掲のものよりもしっかりと塗ってあるので完成度は高いですが、それぞれ見比べてみると線によって受ける印象は異なると思います。
まとめ
さまざまな組み合わせをどう感じたでしょうか。
もちろんこれらは例に過ぎず、人によってどの組み合わせがいちばん好みかは分かれるところでしょう。目的、場面などによって、自分好みの組み合わせを模索するきっかけになれば幸いです。
著・画 なぎかわみん
フリーのイラストレーター。主に広告系イラストとソーシャルゲームイラストを制作させていただいております。
Twitter:https://twitter.com/mominagi
ポートフォリオ https://e-conte.jp/econte/nagikawamin/