シワができる原理とシワの描き分けを知ろう!「服のシワ」の描き方(中編)

シワができる原理とシワの描き分けを知ろう!「服のシワ」の描き方(中編)

ばななふぃっしゅさんによる『服のシワの描き方【初心者必見】』の動画を基に、服のシワの描き方をご紹介、今回は中編です。

前編では、シワができる原理などシワの基本について解説しました。

▽シワができる原理とシワの描き分けを知ろう!「服のシワ」の描き方(前編)

中編はシワの描き分け方を解説していきます。シワの形や布の生地の違いごとの線画や塗りの描き分けについてご紹介します。

▼目次

シワの形
 直線
 畳む
 投げ縄
 三角形
線画と塗りによるシワの描き分け
生地によるシワの違い
 薄めの生地
 厚めの生地
 柔らかい生地
 硬めの生地
 生地による塗り方の違い

 

 

シワの形

シワの形状を4つに分類してシワの違いを見ていきましょう。

1.直線

腕を高く上げたときなど、伸ばすときに現れるシワで、シワの始まりの場所から遠ざかるにつれて幅が広くなっていきます。

2.畳む

畳んだり曲げたりした時のシワやたるみ部分のシワです。

後ろ側から回り込んで描くことを意識すると立体感が出ます。

3.投げ縄

絞ったところの収縮のシワにできやすく、リブ付近や服をタックインした部分などにできます。フリルを描くときなどに使い勝手のいい形状です。

4.三角形

服がたるむ時によく現れるシワです。単調にならないようにうまく配置していきます。

派生としてこの三角のシワの凸部分を描くようにジグザグに簡易的な線を入れる描き方もあります。漫画などで作画コストを下げるためによく使われています。

線画と塗りによるシワの描き分け

シワの表現には線画で描くタイプと、塗りで描くタイプがあります。様々なシワに対してどのように描き分けをすべきか解説します。

このイラストはシワをつける前の状態で、ここに線と塗りでそれぞれシワをつけていきます。

まずは線でシワをつけたものがこちらです。

肘の下あたりの深いシワなどは良いのですが、ふくらはぎのあたりにあるシワはかなり深く入っている印象になり、不自然なシワになってしまっています。

では次に塗りのみでシワを表現した場合はどうでしょうか。

塗りだけでもかなり良く表現できているように見えます。

基本的に塗りのみでシワを描いても大きく変な見え方になってしまうことはないので、迷ったら塗りだけで描いてみましょう。

コツとしては、まずはできるだけ薄く描き、濃くしたい部分があればそこを暗くすることです。そして、さらにもう1段階手間を加えるとしたら、シワが深い部分に線を入れます。

以上の流れで描いていくと自然にバランスの良いシワが描けます。まずは塗りで表現することを考え、シワが深い部分のみ線を入れるようにしましょう。

生地によるシワの違い

続いて、服の生地によるシワの違いについて解説します。まずは、生地による形や線画の違いを見ていきましょう。

①薄めの生地

Tシャツやワイシャツなどが該当します。シワの数がかなり多く、線画は細くてシワの幅も小さく細かく描きます。布は身体のラインをある程度拾うことを意識して描きましょう。

②厚めの生地

パーカーやスエットなどが厚い生地に分類されます。シワの数は少なく大きめで幅が広く、線は丸みを帯びたものになります。

③柔らかい生地

ベロア(光沢があって柔らかい毛羽のある生地)などが該当します。シワはできづらく、柔らかく薄い生地なので、身体のラインをかなり拾いやすいです。

④硬めの生地

デニムなどが該当します。シワは大きく、線は太く角ばっています。また、生地が硬いため体を覆っているラインを拾いづらく、ランダム感の強いシワを描きましょう。

生地による塗り方の違い


生地によってどのように塗り方を変えたらよいか解説します。

陰影の境界に質感が現れるため、硬い布などラフな質感のものは影の境目を少しガサガサとにじませて質感を出します。

反対に柔らかい布やツルッとした布は、エアブラシでぼかして滑らかなグラデーションにしましょう。

レザーやベロアなど光沢のある生地はハイライトを大きく入れて光沢を表現すると、それっぽく見えます。

陰影だけでなくハイライトの境目にも質感が現れます。生地によって滑らかにぼかすか、ガサガサにじませるか、ハイライトの境目の質感を変化させるようにしましょう。

シワの描き分けの基本は以上です。

最後に

今回はシワをどう描き分けるかについてご説明しました。

前編・中編に渡って基本的な知識やテクニックを分類しながら解説しました。シワの描き方に悩まれている方は、シワに対する考え方がだいぶ整理されたのではないでしょうか。

次回はこれまでの知識を実際に描くときにどのように活用すればいいのか、1枚のイラストを描く流れを解説します。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました!

さらに詳しく学びたい方は解説動画をチェック!

こちらの動画では、実際に描き込む過程と詳しい解説を聞くことができます。より理解を深めたい方は是非ご覧ください。

記事元の作者:ばななふぃっしゅ

フリーランスイラストレーター、youtubeでイラスト講座の動画を投稿。

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