イラストを描いていると、キャラクターと背景を合わせたり、パースをつけた背景の描き込みに抵抗を感じたりする方も多いのではないでしょうか?
今回はお絵描きVtuberの絵葉ましろさんによる『【実用?悪用?】パース背景をがんばって描く【イラストメイキング】054』の動画を元に、パース背景を描くポイントをご紹介。是非背景イラストを描く参考にしてみてください。
▼目次
パース背景を描くポイント
イラストメイキング
1.構図を考える
2.カラーラフを作る
3.線画を描く
4.背景を仕上げる
5.キャラクター着彩と仕上げ
パース背景を描くポイント
今回描くパース背景は、「見上げる」「面が多く見える構図にしない」「画面の手前にものを置く」の3点がポイントになります。イラストメイキングを通して解説します。
イラストメイキング
1.構図を考える
複数の構図案の中から、女の子の楽しそうな表情やダイナミックさを出せるアオリの構図を採用しています。「見上げる」アオリ構図にすることで、人や物を床に接地する難しさや描写する物の数を減らしています。
2.カラーラフを作る
ラフと下書きで詳細を固めていきます。
色を置いたカラーラフで全体のイメージを掴みます。
壁や天井などは物が少ない反面、広い面が見えるとパースの歪みが目立ってしまいます。そのため「面が多く見える構図にしない」ようにしつつ、棚などでパースを出しています。
[画像:絵葉ましろ様 撮影・編集]
パースを考える参考として、写真のパース線を引いてみます。中心の消失点までの線が途切れていたり物で遮られていたりと、パースに沿った線が少ないですよね。
背景イラストにパースを用いる場合も、パースグリッド線を短くすることでパースを目立たせずにイラストの説得力を上げる効果が期待できます。
[画像:絵葉ましろ様 撮影・編集]
また、複数の消失点や垂直が歪んで見えるものも多く存在します。パース線はイラストの説得力を出す補助的なツールとして使いやすいように考えていきましょう。
3.線画を描く
カラーラフを元に、キャラクターと背景の線画を描きます。
左上の棚と額縁には消失点に向かう三点透視のパース定規を使っています。そして「画面の手前にものを置く」ことで奥面の描く面積を減らして、遠近感を演出します。また、不定形や円形のモチーフを用いることで、画面の端に向かうにつれ、キツくなりがちなパースの印象を和らげています。
4.背景を仕上げる
カラーラフを元にして背景の着色を進めます。
壁などの面はベタの広い面をなるべく作らないようにグラデーションを入れて単調さをなくしています。
カーテンの奥側など、彩度や明度が低いところは同じ色価で色相を振りわけることで変化を出します。
色価についてはこちらの記事で解説しています。
5.キャラクター着色と仕上げ
キャラクターを塗り進めます。
背景の小物の描き込みと、仕上げを施して完成です。
こちらのイラストはガレージキット・プラモデル制作代行依頼サービス「ヨメイク」のキービジュアルとなっています。
まとめ
今回はパースをつけた背景イラストを描くポイントをご紹介しました。
- 「見上げる」→アオリ構図にすることで描くものを減らし、パースやサイズの違和感を減らせる。
- 「面が多く見える構図にしない」→消失点までの間にものを置き、パースの歪みを和らげられる。
- 「画面の端にはものを置く」→描く面積を減らしつつ遠近感を出せる。
- 「パースグリッド線を短くする」→パースを目立たせずにイラストの説得力を上げられる。
これらのポイントを取り入れるとパース背景に身構えず描き進められます。是非イラストを描く参考にしてみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
さらに詳しく学びたい方は解説動画をチェック!
こちらの動画では、構図案から完成まで実際に描き込むメイキングを見ることができます。より理解を深めたい方は是非ご覧ください。
記事元の作者:絵葉ましろ
お絵描き寄生植物Vtuberとして解説付きイラストメイキング動画投稿を中心に活動。
X(旧Twitter):https://twitter.com/eva_mashiro