美男子キャラクターの魅力アップ! 乙女ゲー風スチルのエフェクトの付け方
2016.04.13
前回のエフェクトの付け方講座(https://ichi-up.net/2016/040)では、乙女ゲーで頻出するエフェクトの概要や簡単な実践法をご紹介しました。
今回は応用編としてエフェクトの有効的な使い方をご紹介。
エフェクトの配置方法と色味を意識すると、よりイラストやキャラクターの魅力が引き立ちます!エフェクトを描けるようになったけど、上手に使いこなせていないと思う方は必見です。記事を通して実践してみましょう。
キャラを引き立てるエフェクトを付けるために、重要なのが
・キーアイテム
・キャラクターの心情
の2つです。
画面の中にキーアイテムがある場合、エフェクトを用いて目立たせると、イラストがよりドラマチックになります。照明や反射の影響ではなく、「登場人物にとって大切なものだから光って見える」と意識すればエフェクトを付けやすくなります。
例:男の子が女の子にプレゼントをしている
→プレゼントを光らせる
また、キャラクターの心情に合わせて、エフェクトの色味や数も変化させると良いです。色そのものが持っているイメージで演出したり、エフェクトの配置で人物の心の動きを表現できます。
例えば、明るくにぎやかな雰囲気の場合、キャラクターやユーザーが持つ気持ちは、楽しい、ドキドキ、照れなどに当たります。そのような感情には暖色系・黄色系統の色味で、動きの多いエフェクト配置が合います。
また、落ち着いたしっとりした雰囲気の場合、悲しみ、せつなさ、大人っぽさなどを感じることが多いです。その場合は、寒色系の色味で、動きの少ないエフェクト配置が効果的です。
例:イラストに登場する男の子キャラは切ない気持ちでいる
→静かな印象にするために、色味は寒色系でエフェクトの量を少なめにする
テーマ(伝えたいこと)によってエフェクトの付け方も変化します。
加工の前に、画面のどこを見てほしいか、何を伝えたいかを一度振り返ると制作しやすくなります。
構図の中に三角形や曲線を描くようにモチーフを配置すると、見る人の視線を誘導できますが、エフェクトでも同じことが可能です。エフェクトを配置することで、元々構図内にあった視線誘導を補助できますし、何も要素がなくても新たにエフェクトで視線の流れを作ることもできます。
光の反射以外で、どこにエフェクトをつければいいのか分からないときは、画面全体をみて、流れをつくるように配置すると作りやすいです。
見本のイラストの場合だと、視線を「顔→つないだ手」に誘導させるためにエフェクトをぐるっと配置してあります。
「エフェクトを付ける=付けた箇所を目立たせる」と意識しがちですが、実はそうでもありません。逆に広範囲にエフェクトをつけると画面の中でなじむこともあります。
エフェクトの付け方講座(https://ichi-up.net/2016/040)でも述べましたが、キャラ周りにエフェクトを付け過ぎると、背景と同化してしまって、見えづらくなることがあります。見せたいポイントの周りはエフェクトの密度を低く、それ以外のエフェクトの密度を高くすることで画面にメリハリがつきます。
せっかく描いた部分がエフェクトで消えてしまうこともありますが、キャラクターやシチュエーションを強調したいときは思い切ってエフェクトを描き込んでみましょう。
エフェクトの付け方記事(https://ichi-up.net/2016/040)と合わせて、2回に渡って乙女ゲー風のスチルのエフェクトのつけ方をご紹介させていただきました。
実はこの記事は自分の失敗経験を元に制作しました。当時、ピンポイントで乙女ゲー風のエフェクト講座もなかったので、なかなかコツがつかめず苦労しました。「こんな講座がほしかったなー」という気持ちを思い出しながら記事を書いたのですが、少しでもお役に立てれば幸いです。
[著・画:柳葉キリコ(やなばきりこ)]
pixiv http://www.pixiv.net/member.php?id=4601697
Twitter https://twitter.com/yanabakiriko
2015年12月からフリーランスのCGイラストレーターとして活動。
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