支点を決めよう! パターンで覚えるシワの描き方
2017.01.13
「スカートを描くのが苦手だ」という方は、少なくないかと思います。一見複雑そうな外見をしていますよね。ですが、スカートの構造を理解すると描くコツを掴むことができます。
今回の講座では、「パターンで覚えるシワの描き方」での布を描くための基本的な考え方に引き続いて、スカートの描き方などに応用するテクニックを紹介します。
▼目次
はじめに、スカートの基本構造について押さえておきましょう。
スカートは平面的に観察すると台形に見えますが、立体で考えるとスカートは円錐台です。この視点を持つだけでスカートに対する立体把握がしやすくなります。
この円錐台状のスカート、展開するとシワを寄せた円弧を描いた状態の一枚布になり、ギャザーを取れば一枚の長方形になります。つまり、ギャザーやプリーツの裾の折り目は簡単に言えばシワなのです。
さらにギャザースカートの構造について考えてみましょう。
ギャザースカートのウエスト部分のシワや裾の形は、布の裾を糸で縫い、その糸を絞った際にできるシワの形によって決まります。ランダム性のあるシワになりやすいので、アバウトに捉えても自然に見えることが多いのです。
プリーツスカートはきちんと法則を持っておられたシワであると考えましょう。
規則立った折り目で構成されているので無機質な構造に見えますが、ギャザースカートのフリルもプリーツスカートの折り目も同じシワです。難しく考える必要はありません。
簡単に構造を捉えると、ウエストにシワの支点が集まっていて、そこから放射線状にシワが伸びることによってスカートのふんわりしたフリルが出来上がる。と考えましょう。
フリルの描き方も、スカートの描き方の考えと同じです。
シワが始まる支点がスカートの裾にあり、そこから放射線状にシワが伸びていると考えてみましょう。円錐台の底辺の円弧に沿うように描いてあげると良いです。
複雑な裾になった場合も、まずはフリルの裾がどこまで来るか描いてみましょう。すると、折り返される布のポイント、奥に向かうフリルと手前のフリルの形の違いなど、整理しながら描き進めることができます。
パニエなどのボリュームのあるスカートの上に、さらにスカートをかぶせている状態では、シワの支点がかぶせているスカートと同じ位置にあることがわかります。何段にもフリルを重ねたときも、支点の位置を決めれば簡単に描けるので覚えておきましょう。
「スカートのフリルを描く」と考えず、「服のシワを描く」という風に大きく簡単に捉えるようにしましょう。難しく考えすぎないことが肝心です。また、構造で悩んでしまった場合は、スカートの型紙を参考にしてみましょう。服を作る上での設計図なので、構造が分かりやすくなり作画を進める上でのヒントになります。
続きとなる記事はこちら。ポージングとスカートの動きを考えてみました。
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イラストレーター。現在は主に書籍での執筆、挿絵を担当。専門学校講師としても活動中。
▼主な著作物
執筆
メイキング製作
(すべて玄光社刊)