窓の描き方講座 これでノベルゲーム背景イラストが描ける!~彩色編2~
2018.03.23
ノベルゲーム背景イラスト講座です。「主人公の部屋」のような”ゲームでよく登場する室内の背景”をモチーフに制作手順や描き方のポイントをご紹介するシリーズ。
前回は窓の描き方をテーマにご紹介しました。今回は引き続いて、机やイス、家具の描き方をテーマに解説していきます。
今回のモチーフである家具類は、どの家具を描くにおいても応用が効きますので、ぜひご参考下さい。
▼目次
まずは家具類ごとにレイヤーを分けつつ、ベースカラーを決めて塗りつぶします。
この時点で家具の基本的な色合いを決めて、線画を確認しながらパーツごとに塗り分けしていきましょう。
家具ごとにレイヤーグループを作成し、その中でまとめるようにレイヤーを追加するとわかりやすいです。
それぞれの家具も、天板と脚部分のようにレイヤーを分けて塗りつぶしておきます。
ベースの塗り分けができたら、さらに個々の家具類のディテールを描き込んでいきます。基本的には奥や端にあるものから順に描いていくとよいでしょう。
今回の作例では、エアコンや机周辺から描き進めていく流れで解説していきます。
エアコンのように四角い形状のものは、面の向きに合わせてしっかりと色分けを行い、明暗をつけておきます。側面・下向きの面が暗く、上向きの面を明るくしておくと立体感が出ます。
エアコンのような壁に取り付けられているものにも、天井照明からの影を入れておきましょう。壁とのわずかな空間や奥行を表現できます。
チェストや机・イスは同じ色合い・材質にしておくと家具に統一感が出せます。色合いを合わせつつ、木目などの材質を描き込んでいきます。
チェストなどの家具の多くは立方体を基本とした構造をしています。天井からの照明を基準にすれば、上向きの面が一番明るくなり、側面が「光の当たりにくいところ=一番暗いところ」になります。3つの面に明暗の差をつけることで面の角を出して立体的に見せられます。
また、取っ手や天板面の下など、少し出っ張っているところの下には、照明からの影が落ちます。このようなところにも気を付けて描き込んでおくと、立体感をより強調できます。
机については、チェストとほぼ同じように描くことになりますが、天板の上側がより広く見えるので、光沢感を入れるようにします。また、角にハイライトを入れることでエッジをシャープに見せておくとよいでしょう。
イスや机の材質・立体感を描いたら、影を入れていきます。床や壁に照明からの影を入れることで、床に家具がちゃんと接地しているように見せられます。また、イスなど複雑な構造のものの場合は、座面などにも影が落ちますので注意して着彩してみましょう。
ノートPCや本は、このくらいの距離のものであればあまり細かく描き込む必要はありません。背表紙が見えますが、文字などは点や線で表現してしまっても問題ないでしょう。
ノートPCのキーボード部分も、キーとキーの間の溝と、一部のキーの角にハイライトを入れておくくらいで十分です。
この飾り棚のような、扉や引き出しのない棚は、影のでき方に気を付けましょう。棚の上板から影が発生し、側面部分に斜めに落ちることがあります。
この場合、棚の中にある小物にもその影が落ちるようにしておくと、ものが棚の一段奥に配置されているように見せられます。
以上が机やイス、棚といった家具類の描き方でした。
次回はベッドやカーペットをテーマに描き方をご紹介します。お楽しみに!
これら背景イラストは自著である『背景CG上達講座』(翔泳社)に詳しい解説がありますので、よろしければそちらもご参考下さい。
▼『背景CG上達講座』
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798137568
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フリーランスのイラストレーター。専門はゲーム・アニメの美術設定、背景イラスト制作を手掛けています。イラスト制作業務のかたわら、専門学校で背景イラスト・アートワークの講義を担当。
著書に「背景CG上達講座」(翔泳社)。講師としては、岩崎学園横浜デジタルアーツ専門学校 非常勤講師、専門学校東京ネットウエイブ 非常勤講師、バンタンゲームアカデミー 講師を勤めています。