今回は髪の描き方講座です。様々な髪型がありますがドリルツインテールやロングウェーブなど複雑に入り組んだ髪型は、なかなか描くのが難しいところです。
その中でドリルツインテールにテーマをしぼり、複雑な髪の描き方をご紹介します。
▽目次
髪は塊で捉えると描きやすい
髪は細い線の集まりなので、複雑に入り組む髪を描くときは塊として捉えると描きやすいです。これを踏まえて上図の例を見てみましょう。
Aは線で描いた髪、Bは塊で描いた髪です。
Aの髪はナチュラルですが、複雑に入り組んだ髪を描くときは立体的に考えられるBの髪が描きやすいです。実際の作画では「前髪はサラサラなのでA」「風になびく後ろ髪はB」と併用すること多いです。
塊で描く場合は、極端に表現すると上図の(1)(2)(3)のような感じで考えます。
サラサラにしたい場合でも大きな塊で形を決めた後は細かい線を入れ、質感は仕上げで調整してください。
今回はリボン状にデフォルメしているので(3)の描き方を解説します!
複雑な髪の描き方
こんな絵を描きたいと思います。
(1)の少女はドリルツインテール、ひと束だけ描けばいいので作画難易度は低いです。ドリルのように巻いた縦ロールが描けるようになれば、(2)のような複雑に絡み合うロングウェーブも応用して描けます
縦ロールの描き方
縦ロールの描き方を、リボンを使って見てみましょう。
(1)は真横から、どんどんと俯瞰にして角度を付けてみました。トレースしてみると縦ロールの構造が分かりやすいですね!
リボンの表裏、ハイライトの入る位置などよく観察しましょう。リボンを毛束っぽくほぐせば縦ロールの完成です
さらに縦ロールを髪らしく見せるには以下の2つを追加してみましょう。
1.ほぐれた毛を追加する
整いすぎていると髪の毛らしくないので毛束やほぐれた部分を描き込みます。
2.縁に厚みを追加する
厚くするほどデフォルメが強くなります。
ドリルツインテールの描き方
縦ロールの描き方を元に、ドリルツインテールを描いていきます。
1.リボン状のアタリを取ります。「縦ロールの描き方」の髪の角度を参考に描いてみましょう。
2.毛束の太さを調整しました。毛の終わりの部分は細くしつつフェードアウトさせてください。
3.あまりにも一直線に揃いすぎているのでロールの中心をずらしましたが、揃っている方がキャラに合っていることもあるので適宜調整してください。
4.縁に厚みを追加しました。
5.ほぐれた毛を追加ました。
ドリルツインテールを立体的に見せるポイント
さらにドリルツインテールを立体的に見せていきます。ポイントは以下の3つです。
1.左右で角度が変わらないように、縦ロールの切り口部分の角度を間違えるとおかしなことになるので気を付けましょう。
2.奥にある縦ロールはやや短く、同じサイズで描くと奥の方が大きい印象になるので若干細く短くします。
3.描き込みが多いものは近くにあるように感じるので、奥の縦ロールは線や塗りを省略すると奥にあるように感じます。この絵ではシルエットだけにしてみました。色塗りの際にコントラストも弱めるとより効果的です。
ツインテールの塗り方
色塗りは4つの要素に分解して考えましょう。縦ロールだけではなく髪の塗りすべてに応用できます!
1.カーブに沿って段々と暗くなる
乗算レイヤーにベースと同じ色を塗って段々と濃くしています
2.頂点の部分にハイライト
白でハイライトを入れました。
3.照り返しでフチの部分が明るく見える
「1.カーブに沿って段々と暗くする」ときの影を最後まで入れず、縁の部分は塗り残して明るくしました。
4.周囲の反射光
近くにパソコンモニターがあったので青白い光が入っています。イラストではキャラクターの服、肌の色、背景の色など好きなものを反射させてください。
ドリルツインテール完成です。後半ではこの描き方を踏まえてもっと複雑な髪を描いてみましょう!
著・画 珠樹みつね
イラストレーター。ソーシャルゲームのカードイラストを中心に、3DS用ゲームの背景や食玩のオマケイラストなどジャンルを問わず活躍。Webのイラスト講座なども多数手掛ける。
ホビージャパンより著書「CLIP STUDIO PAINT キラキラの描き方 宝石・鉱物・金属などを輝かせる塗り絵テクニック」好評発売中。
Twitter:https://twitter.com/tamaki_mitune