秘密のテクニック! デニム生地の描き方メイキング

秘密のテクニック! デニム生地の描き方メイキング

細部にまでこだわられたイラストは、キャラクターの魅力が増してみえてきます。

たとえば生地の質感が伝わるように洋服が描かれていたら、より見ごたえがあり、惹かれるキャラクターイラストになると思いませんか?

 

それでは、洋服の生地をよりリアルに表現するにはどうすればいいのでしょうか?

 

今回は、描く機会が多い、「デニム」の生地の描き方について、イラストレーターのつるしまたつみさんが解説します。記事の最後には詳しい動画解説があるのでチェックしてみてください。

 

▼目次

1.ラフを描く(通常レイヤー)

2.影[1][2]を塗る

  影[1]

  影[2](乗算レイヤー)

3.明るい部分を塗る(スクリーンレイヤー)

4.黄色で色味を足す(オーバーレイレイヤー)

5.ステッチとボタンを描く(通常レイヤー)

6.落ち影を描く(乗算レイヤー)

7.明るさを足し、コントラストを強める(スクリーンレイヤー)

8.好みでダメージ加工を描く(通常レイヤー)

9.テクスチャを加える(通常レイヤー)

10.ブラシで質感を加えて微調整する

 

 


1.ラフを描く(通常レイヤー)

デニムの描き方

今回使用するソフトは、CLIP STUDIO PAINTです。

 

一番上に作成したレイヤーに、線画でラフを描きます。最初は慣れないかも知れませんが、資料をよく見て描きましょう。ズボンが筒状で出来ていることを理解しつつ、シワのでき方をよく観察します。シワは引っ張られている場所やたるんでいる場所にできるのも覚えておいてください。

 

ラフを描いたら、その下に「通常レイヤー」を作成し、デニム部分のベースを青系の1色で塗りつぶしましょう。線が主張過ぎないように線画のレイヤーは、不透明度を10%程度に下げておきます。

2.影[1][2]を塗る

デニムの描き方

<ポイント>

硬い生地感を意識→明るい部分と暗い部分のコントラストを強くします。横のラインを意識した影を描きましょう。カサついたブラシを使うと、より質感が出て時短になります。

 

※ガサついたブラシはテクスチャを使って自作するか、もしくは無料で配布されているブラシをダウンロードしましょう。

影[1]

影

ベース塗りをしたレイヤーに、ブラシで影を描き足していきます。

 

ベースよりも少し暗い青色を使用しました。

影[2](乗算レイヤー)

デニムの描き方

ベース塗りのレイヤーの上に「乗算レイヤー」を作成し、クリッピングします。(以降も同様に、レイヤーを作成したら、クリッピングしていきます)

 

最初に塗ったベースの色よりも少し暗い色で塗って、明暗差をつけます。

 
デニムの描き方

だいぶデニムっぽくなってきました。

 

次に、弱い筆圧で質感をさらに重ねました。

3.明るい部分を塗る(スクリーンレイヤー)

デニムの描き方

ベースの色よりも少し明るい色で塗ります。端のこすれた部分は最も明るくなるようにしました。

 

<ポイント>

細かい表現もさぼらないようにしましょう。明るい部分と暗い部分を見極め、細かいシワもきちんと描くことでリアルな質感表現ができます。

4.黄色で色味を足す(オーバーレイレイヤー)

デニムの描き方

デニムの実際の製造工程を真似て描くことで、色に深みを加えます。大き目のブラシで、黄色を部分的(下半分)に乗せました。


ここではレイヤーの不透明度を76%に下げています。

5.ステッチとボタンを描く(通常レイヤー)

デニムの描き方

少し暗い黄色でステッチとボタンを描きます。

デニムの描き方

ボタン部分に、ハイライトと影をいれます。

6.落ち影を描く(乗算レイヤー)

デニムの描き方

※落ち影=物に遮られてできる影のこと

 

ウエスト部分や、ボタンホールなどに黒に近い青を入れて、境界をはっきりさせます。

 

ここではレイヤーの不透明度を59%に下げました。

7.明るさを足し、コントラストを強める(スクリーンレイヤー)

明るい部分に、ブラシで薄い青色を塗り、コントラストを強くします。

 

レイヤーの不透明度を下げて、調整をします。

8.好みでダメージ加工を描く(通常レイヤー)

デニムの描き方

白に近い水色でほつれた糸を描き、濃い青で影部分を描きます。

9.テクスチャを加える(通常レイヤー)

さらに質感を強調するため、[素材>単色パターン>テクスチャ>【漆喰】と【斑雲1】]をドラッグ&ドロップで貼りつけます。

 

テクスチャのサイズは必要に応じて変更します。さらに[レイヤープロパティ>効果>「質感合成」]を選択し、レイヤーの不透明度を60%程度まで下げました。

10.ブラシで質感を加えて微調整する

[デニムの描き方

シワ部分の細かいハイライトや、輪郭線を描き加えます。(引き続き、生地の硬さを意識します)

 

これで、デニム部分の描写が仕上がりました。


デニムの描き方

最後に人物部分を描き加えると上図のようになります。人物部分はデニムのレイヤーの下に、「通常レイヤー」を作成して描きました。

 

以上で、完成です。

さらに詳しく学びたい方は解説動画をチェック

こちらの動画を見ると、ブラシで細部を描き込む様子や、ブラシサイズと筆圧を使い分ける様子などを見ることができます。より理解を深めたい方は是非ご覧ください。

記事元の著者:つるしまたつみ

ポップで色彩鮮やかなイラストを得意とし、CDジャケットデザイン・グッズデザイン等、幅広く各種媒体のアートワークをこなす。

 

これまで手掛けた作品は数知れず、ゆるめるモ!やバンドじゃないもん!を始めとするアイドル、そして上坂すみれ、初音ミクなど、声優からキャラクターまで多岐にわたる。

 

50人のイラストレーターが1人を描く異色の合同展「百人百色展」の主催や、イソ(ベ)マスヲとタッグを組み全国7ヵ所を巡るイベントツアー「つるマス全国ツアー」の開催と、エンターテイメント性と創造性に富んだ企画・活動も活発に行う。

 

Twitter:https://twitter.com/tsuru_oden

pixiv:https://www.pixiv.net/users/2538476

WEBサイト:https://tsurushimatatsumi.com/