食べ物を描く時に重要となるのは、美味しそう、ホカホカ、とろーり、グツグツ、カリカリなどのいわゆる「シズル感」にこだわりを持つことが大事です。
今回は、アツアツのパンを割いてそこのとろけたチーズをかける場面を表現していきます。
パンの描き方
1.下書きをする
まずはアタリを作ります。この線はただの下敷きなので、ざっくりで構いません。パンを二つに割いている状態です。
2.下塗りをする
下塗りをします。大雑把に耳の部分と白い部分にレイヤー分けしました。
3.シワや影のディテールを拾う
シワや影の部分を拾ってディテールを作っていきます。これで、全体の形が確定です。
4.ディテールを一段階濃い色で追う
耳の部分から描いていきます。
「3.シワや影のディテールを拾う」で決め打ちしたディテールにしたがって一段階濃い色でかたちを追います。ボケ足の強いブラシを使うといつまでも形が見えてこないのと、ヌルっとしてしまうので多少エッジのあるブラシを使いましょう。
5.明るい部分を塗る
明るい部分を塗っていきます。同じベースの場所なので「4.ディテールを一段階濃い色で追う」と同じブラシで統一感を出します。
6.パンの白い部分に影を落とす
白い部分の影部分を落としていきます。割けている部分なのでほぐれる生地感が見えるように多少具体的にしました。
7.明るい部分を塗って立体感を与えていく
明るい部分を塗っていきます。
それとともに、耳と中身の境目を馴染ませます。スポイトツールで近いところの色を拾っていくと自然にしやすいです。
8.ディテールを細かいベタブラシで表現する
ここまでだと物体感がはっきりしないので、特に濃い部分、明るい部分のディテールを細いベタブラシでしめていきます。
そうすることで、はっきりとした印象になります。折々に絵全体を寄ったり引いたりして違和感がないか確認しましょう。
9. ハイライトを入れる
特に明るい部分にハイライトを入れていきます。これで、パンは完成です。
チーズの描き方
1.チーズのシルエットを描く
次に、とろけるチーズを描いていきます。線画は描かずに、下塗りでシルエットを取っていきます。密度が高く、重たく垂れるようにボリューム感に注意して描くのがポイントです。
2.影を落としてかたちを作る
一段階濃い色で大体のかたちを作ります。丸く、ツルっとした表面を意識しましょう。
3.ハイライトを入れる
ハイライトを入れます。ツヤツヤに仕上げたいのでベタブラシでキリっと光らせましょう。
4.チーズとパンの境目に影を入れる
チーズとパンの境目の影を入れます。まずは乗算で様子を見てから、自然な色を足していきます。これでチーズの完成です。
仕上げ
パンとチーズが完成したので背景をつけます。今回はホカホカの食べ物なので湯気が目立つように黒っぽい背景にしました。
湯気を入れます。
湯気は意外と繊細で形を作るのが難しいので、似たようなシチュエーションの資料を見ながら描きましょう。太いブラシで大まかに薄く全体を作ってから細かな線を描いていくと良いでしょう。
以上が、パンとチーズの描き方でした。
食べ物を描く場合でも、動きのあるシチュエーションは割とありますので、色々なパターンに挑戦して慣れていきましょう。複数の資料を用意してから描くと、よりシズル感あふれ美味しそうにしやすいです。
著・画 なぎかわみん
フリーのイラストレーター。主に広告系イラストとソーシャルゲームイラストを制作させていただいております。
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