2021年7月16日(金)~2021年9月17日(金)にかけて、第一回マンガ・イラストコンテストが開催されました。主催は専門分野を学び就職・デビューを目指す学校、総合学園ヒューマンアカデミーと学校法人佐藤学園ヒューマンキャンパス高等学校。本コンテストはマンガ家・イラストレーターを目指す若者、クリエイターにプロデビューする機会を創出するためのコンテストです。
マンガ・イラスト分野の著名なマンガ家・イラストレーターに審査員として参加いただく本コンテストは、日ごろの成果の発表の場と、プロの技術に触れる機会を提供することにより、多くの参加者が、プロデビューへの機会に近づくものになればと考えております。
本記事では結果発表として、大賞作品と審査員特別賞の作品をご紹介いたします。
主催者のご紹介
総合学園ヒューマンアカデミー
全国18校舎14カレッジを持つ専門学校。マンガ・イラストカレッジをはじめ、声優・俳優、ゲーム、eスポーツ、動画クリエイター、シナリオ、ヘアメイクなど様々な専門職を目指す方々を育成する教育機関です。
学校法人佐藤学園ヒューマンキャンパス高等学校
総合学園ヒューマンアカデミーと連携した通信制高校。高校の学習と合わせて、40分野100職種以上に対応した専門学習ができる教育環境があります。マンガ・イラスト・アニメといった専門分野も学べます。
審査員のご紹介
マンガ部門とイラスト部門に分かれコンテストを行います。さらに、中学生の部、高校生の部、一般の部に分かれて審査を行いました。作品応募数は合計166作品。そのクリエイターの将来性やクリエイティブの質など様々な面から審査員の方々が評価しました。
大賞作品
審査員委員長の田中将賀様を代表として、各審査員のご意見ををまとめて、総評及び大賞作品へのコメントをお届けします。
総評
たくさんのご応募いただきありがとうございます。
マンガ部門は8ページ以内という制限があるので、構成が難しく四苦八苦している印象がありました。全体の完成度は低くとも、部分的に伸びしろを感じる作品があり、今後の活躍に期待しております。
イラスト部門は中高生の作品のクオリティが高くて驚きました。一般の部と混ぜても遜色がない作品が数多くあります。発想力も豊かで印象に残る作品が多かったです。
両部門とも中高生のクオリティが高く、将来的にプロのクリエイターとして活躍する方が出てくると思います。是非、プロを目指して頑張ってください。応援しております。
マンガ部門 中学生の部
タイトル「秘密」
作家名:八緒葉 しろ
中学生ながら漫画として、しっかりと完成されているところを評価しました。初心者にありがちな顔ばかりが描写される漫画になっておらず、絵の引きや寄りを使い分けて演出ができています。ストーリーもやりたいことが分かる内容でした。
マンガ部門 高校生の部
タイトル「身命を賭して」
作家名:LISA
全部門の全作品の中でもっとも画力が抜き出ていました。8ページ内で収まっていない構成でしたが、32ページの読み切り作品の冒頭として読むとまとまりがある内容だと思います。とても続きが読みたくなる作品でした。ストーリー上のキャラクターの心情の見せ方も上手かったです。
マンガ部門 一般の部
タイトル「止まらぬAI(アイ)を受け入れるべきか否か」
作家名:キタハラ タカシ
完成度が高い作品でした。画面で見たとき、描写の切り取りが上手く、演出も良かったです。AIをテーマに近未来を描いた内容で、作家性を感じる作品でした。これからの伸びしろも期待できます。
イラスト部門 中学生の部
作家名:やず
中学生ながらにして独特の配色センスを持ち、一定の描写力を持っているところを評価しました。秋というテーマに対して、寒色をベースに配色をおこない、秋要素である暖色をいい感じのリズムで表現できるなど、絵力のある作品だと思います。
イラスト部門 高校生の部
作家名:綾月 すぐれ
高い表現力で見ていて楽しい作品でした。食欲の秋というテーマで、食べ物を美味しそうに描かれています。配色が上手く、作風もしっかりと固まっている印象です。他のテーマを与えても、素敵な作品を仕上げてくるであろう地力の高さを感じました。
イラスト部門 一般の部
作家名:館田 樺江
ゲームやライトノベルといった商業媒体で通用するクオリティ持っているところを評価しました。絵柄も今風で商業イラストレーターとしても活躍しやすい思います。他の作品も見たくなりました。
審査員特別賞
田中将賀 賞(マンガ部門)
タイトル「沢蟹」
作家名:坂井 わう
引き絵のコマのレイアウトが上手く、主人公の周りの描写がしっかりしており読みやすかったです。料亭内や料理のことへの説得力がしっかりあり、良く調べてあるなと思いました。それだけでなく入れ込み方がさり気ないので説教臭くなく好感が持てました。何より沢蟹が食べたくなりました。
田中将賀 賞(イラスト部門)
作家名:LISA
キャラクター目線を窓外へ向けることでの目線誘導していること、見せたいものをより強調するために室内を思い切って暗く落とすことなど、この絵をどう見て欲しいかの配慮がしっかりなされていると感じました。
秋の空気感、肌寒さの表現として服装はもちろんのこと室内に居ることだったり、温かいものを飲んでいるであろうマグカップ、そしてさり気なく右隅に丸まっている猫を配置しているのが上手いなと思いました。
手や足の芝居だったりスカートの生地の表現、マグカップ表面のさり気ない映り込み表現など、単純な絵の上手さという意味でも素晴らしかったです。
河本ほむら&武野光 賞
タイトル「身命を賭して」
作家名:LISA
「プロに最も近い人」という観点で見たとき、最もそれに近いというのが選定理由になります。というかプロの原稿ですと言われても違和感を覚えません。総合的な画力は見ての通りですし、キャラ付けや、その人間的なバックボーンからくるセリフにもぐっとくるものがあり、とても魅力的な原稿だと思いました。
現在高校生でいらっしゃるということなのでご活躍が楽しみです‼既に同業者として見ています(笑)
株式会社ワコム 賞
タイトル「止まらぬAI(アイ)を受け入れるべきか否か」
作家名:キタハラ タカシ
AIと暮らす日常のやりとりを細かく、会話の掛け合いも面白く感じました。生活の1シーンで主人公の人柄、性質などを描き出し、コマ割りにセンスを感じました。
マガジン編集部 賞
タイトル「くせ毛」
作家名:かるちぃ
この短いページ数でキャラの心情が強く伝わってきました。感情を表現する瑞々しい表情を描き分ける画力。そして「髪の毛」というワンテーマで恋愛模様を描く企画設定力が見事だと感じました。たくさんの読者をキュンキュンさせる作品を、今後も描いていただければと思います。
藤ちょこ 賞
作家名:マツシタ
今回審査させていただいた中で、一番目を惹かれたのがこの作品です。よく見ると人間がいたり、細かいところまで丁寧に手を抜かずに描かれていて、ずっと眺めていても飽きないと感じました。
コントラスト差をうまく使って主役が分かりやすい画面になっているところも素晴らしいです。既に個性的な作風を確立されていますが、ここから更に新しい要素も取り込んで、成長していってほしいです。これからの作品が楽しみです!
灸場メロ 賞
作家名:綾月 すぐれ
こちらのイラストをぱっと見た時に、数々の料理と躍動感ある麺の揺れ、髪の動き、そして女の子の煌びやかな表情など「食欲の秋」を存分に感じました。全体的に温かみのある色に対し、差し色でラーメンの器や髪の毛の裏に寒色が入っており、細やかな配色も綺麗で素敵な秋イラストと思いましたので選定とさせていただきました。
株式会社MUGENUP 賞
作家名:ティ・ティ
将来的にゲームやライトノベルなどで活躍できると思い、選定させていただきました。素体が怪しいところもありますが、塗りのレベルも高く、今風の絵柄ということもあり、商業デビューも近いかと思います。キャラクターだけでなく、手を抜きがちな小物の表現もしっかりしているのも素晴らしいです。これからの活躍が楽しみです。
コンテスト連動企画スペシャルセミナー動画
本コンテストに連動して審査員の田中将賀と河本ほむら、武野光に作品作りに役立つセミナーを開催しました。動画アーカイブが公開されているので是非御覧ください。
田中将賀セミナー:プロの思考方法
河本ほむら&武野光セミナー:「面白い」を作る考え方
総合学園ヒューマンアカデミーとヒューマンキャンパス高等学校はマンガ家・イラストレーターを目指す若者を応援します!
マンガ家やイラストレーターなど専門職で働きたい人を応援します。数多くのマンガやイラストに関連する企業にお越しいただく合同マッチングイベント「マンガ・イラスト合宿」や定期的に開催される特別講師を招いたスキルアップセミナーの開催。さらに、プロとして実績がある講師陣が目標の実現に向けてサポートします。
学校見学や定期的に開催される体験授業も行われているので、是非興味がある方は資料請求などからお問い合わせください。