パターンを当てはめるだけ! 悩まずにアクションシーンを描く方法

パターンを当てはめるだけ! 悩まずにアクションシーンを描く方法

可愛い女の子やイケメン男子の、ぽつんと佇んだイラストばかり描いているあなた。

 

いざ、お仕事で「アクションシーンを描いてください」と言われると、ポージングやら構図やらが決まらずに困ったことはありませんか。そんなときは構図を決める前に「どのアクションシーン」を描くかを決めると、迷う時間が少なくなります。

 

そこで今回は、

  • アクションポーズに頻出するシルエットパターンの紹介
  • そのポーズを見た人にどう伝わるか

という観点で、アクションポーズを迷わずに描くヒントをご紹介します。カードイラストやユニット系イラスト(※1)の構図作りにも役立つので是非ご覧ください。

 

※1:ソーシャルゲームに頻出する背景なしの全身イラスト。エフェクトを多用しているのが特徴的。

 

 

アクションシーンから構図を考えてみよう

アクションシーンは大まかに決まった構図に分類できます。

 

1.構え
2.タメ
3.攻撃
4.インパクト(破壊)
5.決めポーズ

 

上記の5パターンから、どの構図にするかを事前に決めておくだけでアクションシーンに頭を悩ます時間を軽減することができるでしょう。

 

では、キャラクターに合わせた攻撃フロー(アクションシーン)をご紹介します。

格闘家の攻撃フロー

アクションシーン

格闘家キャラに上記のアクションシーンを当てはめてみました。格闘キャラの登場は鉄板なので覚えておきましょう。

剣士の攻撃フロー

アクションシーン

続いて、剣士キャラに上記のアクションシーンを当てはめてみました。「3.攻撃」と

「4.インパクト(破壊)」の違いは、相手にダメージを与える直前と直後の差です。

飛び道具の攻撃フロー

アクションシーン

飛び道具使いのキャラに上記のアクションシーンを当てはめてみました。


飛び道具は格闘や剣戟と異なり、物体との接触が「3.攻撃」と「4.インパクト(破壊)」で順番が逆になる特徴があります。

 

例はハンマーですが、ムチや鎖鎌などの武器も同様です。これでボルトガンダムのアクションシーンも描きやすくなりますね。

 

これら攻撃フローは、「自分が攻撃ポーズの、どのフローを描いているのか」を意識すると場面が想像しやすくなるので、是非使ってみてください。

アクションポーズのシルエット

ここからはアクションポーズのシルエットイメージを考えてみましょう。

アクションシーン 

アクションポーズのシルエットを考えると、

  • ニュートラル
  • タメ
  • 開放

の3つのポーズに分類できます。

ニュートラル

  • タメや開放をしていない素の状態
  • イメージは「素」「自然」「リラックス」

キャラクターがリラックスしたポーズとなります。

タメ

  • 力を内に溜める状態
  • イメージは「縮む」「閉じる」「曲げる」

これらの度合いによってタメの大きさを演出できます。「曲げる」であれば、どれだけ曲がるかでタメの大きさ表現につながります。

 

ガードをするためにしっかり腕を固めるのもタメです。

開放(放出)

  • 力を外に放つ状態
  • イメージは「伸びる」「開く」「反る」

これらの度合いによって開放の大きさを演出できます。「伸びる」であれば、どれだけ伸ばすかで開放の大きさ表現につながります。

 

アクションポーズのシルエットは力が内向きに働くか、外向きに働くかが重要です


これらを漫画『ドラゴンボール』で考えると分かりやすいでしょう。例えば「か~め~は~め~」のポーズがタメ、「波―!」が開放となります。

アクションポーズの本気度(強弱)

最後に「ニュートラル」、「タメ」、「開放」を踏まえて、アクションポーズの本気度(強弱)を考えてみましょう。

アクションシーン 

攻撃はニュートラル<タメ<開放の割合でどの程度の本気度か表現できます。さらに、開放が大きいほど攻撃の威力のイメージが大きくなり、開放の大きさに応じてタメも大きくなります。

 

タメが起こるのは開放の対になる部分です。ただし、全開放時は「全てを開放している」(自爆覚悟の攻撃)のでタメがなくなります。

 

例として漫画『ドラゴンボール』で考えると分かりやすいです。例えば「ギャリック砲」→「ファイナルフラッシュ」→「ブウ編の自爆」のイメージです。

本気度の描き方

この本気度は、どこをどういうイメージで描くかで攻撃の強さを表現できます。

 

本気度:5%

アクションシーン

片腕だけで支えて、指先だけ「開放」しています。つつく程度の本気度ですね。

 

本気度:20%

アクションシーン

片腕をまっすぐ伸ばし、攻撃態勢です。反対側の手も少しタメにすると力がより強調されます。

 

本気度:60%

アクションシーン 

かなり本気になってきました。足腰が「タメ」のシルエットで身体をしっかり支えなければならないほどの攻撃に見えます。

 

反対の腕もより「タメ」にすることで開放の腕が強調されますね。

 

本気度:100% 

アクションシーン

両腕と上半身を使って大きく「開放」し、全力を表現しています。下半身は全身を支えるので「タメ」のシルエットになっています。

 

本気度:120% 

アクションシーン

全身で「開放」を表現して限界を超えた攻撃ポーズです。

 

支える力もすべて「開放」にまわしているので彼は攻撃した後、うしろに吹っ飛んでケガをしてしまうかも知れませんね(笑)

注意点

最後に注意点。開放とタメはメリハリが大切です。開放は伸ばしきり、曲げも中途半端に曲げないようにしましょう。

 

以上、アクションポーズを悩まずに描くヒントでした。少しでも悩む時間が減って頂ければ幸いです。