人体のとらえ方① 骨と筋肉 ~8頭身編~

人体のとらえ方① 骨と筋肉 ~8頭身編~

人体の構造を理解することは人物を描く上でとても重要な知識です。体の輪郭をただ単に【出っ張る】【引っ込む】といった表面的な形として捉えるのではなく、骨と筋肉の構造を理解して描くことで形に説得力が生まれ立体感が出ます。また動きや体型の変化などの応用もしやすくなります。

これから数回に分けて人体の【骨と筋肉】の構造を、初心者が間違えやすい部分、苦手に感じやすい部分を中心にピックアップして解説していきます。

 

<目次>
①全身・骨
②全身(8頭身)
③首から肩にかけての構造

 

 

まずは全身の骨格とバランスを見ていきましょう

①全身・骨

最初は細部はあまり気にせずに全体から見てみます。骨格に色がついた所はあまり筋肉や脂肪が付かない場所で、骨の形が見える所です。

人体を描くときに基準となるのは骨です。アタリを取るときは簡略化した骨格を描いてから肉付けするとよいでしょう。


絵を描き始めた頃は筋肉の膨らみなどの目立つ部分に注目しがちですが、引っ込んだ所(骨)を基準に描き、そのあと肉付けをした方が形が捉えやすく破綻も少ないです。

特に胸と腰の骨はポーズをつけるときに重要な部分になります。上半身と下半身をひねったり曲げたりするとポーズが生き生きしてきます。腰の骨は複雑な形をしていますが、ほとんどが肉に埋もれて見えないので自分がわかりやすい形にすると描きやすいです。

②全身(8頭身)

年齢や画風によって頭身(全身の比率を頭何個ぶんかで表したもの)は変化しますが、ここでは最もバランスの良いスタイルといわれる8頭身で説明しています。

絵を描き慣れないうちは、頭を描いたら首、そして胴体と狭い範囲にしか視線が動かず、パーツを継ぎ足すような描き方をしてしまいがちです。これが体のバランスが崩れや動きが描けない原因になります。

 

最初は厳密に8頭身の比率を守る事より、顔を描くときも足の位置を意識するなど、絵全体に目をやる癖をつけられればいいと思います。

 

急ぎ足ですが、大まかな全身のバランスを紹介しました。ここからは部位を絞って構造を見ていきます。

③首から肩にかけての構造

次に、描く機会の多い首から肩にかけての構造を見ていきましょう。形を理解するために簡略化した骨と筋肉です。

首には実際は細かい筋肉や骨がありますが、まずはこのような大まかに形を取り、必要に応じて細部を描き込むようにしましょう。

 

さらに男女の筋肉の構造の違いがシルエットにどう影響するかを見てみましょう。男性(マッチョ)女性(華奢)という設定です。本来なら骨も男女で描き分けるべきですが、筋肉の違いを見せるため男性の骨格で描いています。

胸や腹筋などに比べて肩周りは一見とらえどころのない部位に思えますが、骨と筋肉の構造を理解して描く事ではっきりと意味のあるパーツになります。